変化する時代のニーズに応えるため、組織としての総合力を高め、全国の歯科医師から高い評価を得ている日本を代表するラボ。
歯科医院の要望を正しく把握した上で、経験豊富な歯科技工士が技工物を製作。納品前に責任者が最終的な品質確認をしているので、クオリティという面でも圧倒的な安心感がある、という声が多い。

シケン | 徳島県小松島市

全国に技工所7ヶ所、営業所26ヶ所を持つ、国内屈指の規模の歯科技工所、シケン。社長の島 隆寛氏は、高品質な技工物を歯科医院に安定的に提供することと、従業員が一生安心して歯科技工士という職業に携われること、を両立すべく業界でもいち早く「デジタル化」と「働き方改革」に着手。今では、激務になりがちな歯科技工業界にありながら、超低離職率な優良企業の一つとして知られる。大型技工所の強みを生かし、クラウン、デンチャー、インプラント、矯正など、幅広い歯科技工物に対応している

代表インタビュー ラボの基本情報 取扱技工物 求人情報

代表取締役
島 隆寛(しま たかひろ)

1975年 徳島県小松島市生まれ。早稲田大学法学部卒
1999年 第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行
2001年 株式会社シケンへ入社 取締役就任
2002年 同社 常務取締役就任
2003年 同社 代表取締役社長就任
2003年 株式会社クエスト 代表取締役社長就任
2019年 徳島県中小企業家同友会 代表理事就任

「技工業界のトップリーダーの一人。国際展開も積極的に推進!」

歯科技工の企業化・組織化を進める
― シケンはどのようスタートされた会社なのですか?
シケンは、私の父である先代が歯科技工業界の大塚製薬のようになりたいといって始めた会社なんです。会社が黎明期の頃、大塚製薬の創業者の方に、歯科業界の大塚製薬になりたいんだと直接電話して、言ってみれば弟子のような形で経営について学んでいたこともあったと聞いています。 ― 大塚製薬の創業者に直接・・・すごい行動力ですね(笑)
大塚製薬は地元徳島県の優良企業ですので、先代としてはやはり強い憧れがあったんですね。僕自身は歯科技工士にはならなかったのですが、子供の頃から自分はシケンの後継者になるもんだと自覚して育ちました。先代がせめてお金の計算はできるようにということで、大学卒業後に銀行でしばらく働きまして、その後社長になってもうかれこれ17年になります。 先代が創業したのは1975年ですが、その頃から既に、「歯科技工という仕事は企業化していくべき」だという考えを持っていました。もちろん様々な価値観があると思うのですが、シケンは歯科技工を企業化するということを一つの目標としてやってきています。

私の代になってから「歯科技工業の企業化・組織化」ということを改めて経営理念として言語化したのですが、これはむしろ創業理念といってもいいことなんですね。今は社内の組織化や外注先のネットワーク化まで含めて、10年くらいのビジョンとして考えています。ですので10年後に我々がありたい姿から逆算して、今何をすべきかを検討し、会社として実行している状況です。
2万本のCADCAM冠データを元に論文執筆
― いまでは業界最大手と言っていい規模ですよね。
シケン単体で社員は666人、うち歯科技工士は380人ほどです。業界では和田精密さんに次ぐ規模となっています。歯科材料の子会社のクエスト等も含めますと、グループ全体で社員は1,000人を超えます。 ― 大手ならではの強みもありそうですね。
そうですね。この規模で操業していますと、論文が書けるような大量のデータが入手できるという強みがあります。たとえば、『日本歯技』で最優秀論文賞を取った論文があるのですが、そこではCAD/CAM冠に関して2万本ほど調査・分析しました。なぜCAD/CAM冠かというと、CAD/CAM冠は金属よりたわんで取れてしまうのではないか、噛み砕いてしまうのではないか、など様々な懸念があったんですね。

しかし、我々が2万本くらい調べたところ、問題はほとんどないということが分かりました。今は、大臼歯は金属アレルギーがある場合とか、7番があって下の6番に限るとか色々な制限がありますが、我々のデータからすれば大臼歯も意外と外れないのです。シケンのデータと他社のものを合わせるとはっきりするんですね。これは数があるからこそ分かることです。 ― 論文にできるほどの大量のデータがあるのはすごいですね。
全国展開を始めた頃は、「早くて安くて、品質はイマイチなシケン」というイメージを持たれていたと思います。でも今では、先ほどお話しした論文もそうですし、コンペで賞を取る社員も出てきましたし、そういった社員の存在が確実に会社全体の技工物の質を上げていると自信を持っています。スタディー・グループや学会への参加も積極的に進めていまして、社員の意識も徐々に変わってきていると思います。  
機械化・デジタル化に全力で対応する
先代が、吉祥寺で面白いことをやっていた時期があるんですよ。2階が歯科医院で、1階がメガネショップならぬ、「入れ歯ショップ」というショールームのようなものをやりました。珍しいし、何屋さんか分からないから、お年寄りの方がどんどん見に来るわけですよ。 お客さんの中には「私こんなの入れてるのよ」と入れ歯を外して見せる人がいたりしてね。蕎麦屋の実演みたいに、歯科技工士の作業が見えて、マイクもついていて技工士に話しかけることもできる。ある方には「これは歯科技工士の夢だ」なんて褒めていただいたりもしました。 ― それはすごい。かなり画期的ですね(笑)
ただ、非常に家賃の高い立地だったので、最終的には撤退することになったんですが、そういう入れ歯の店を巣鴨あたりでやってみたいなぁという気持ちは今もあります。でもまずは今は、デジタル化に全力で対応しないと他のラボに負けてしまう時代なんです。もしチェアサイドでのミリングが実際に定着したら歯科技工の会社は今の2~3割に減ってしまうかもしれません。今は、そういう激動の時代なので、残念ながら今は昔のように楽しいことをやっている余裕はないんですね。 ― シケンさんでは、デジタル化・機械化にかなり力を入れていますよね。
はい。技工の機械化はシケンではかなり進んできたと思います。口腔内スキャナーの発展と、ジルコニアの素材の進化と、細かいところを削るミリング・マシーンの能力がだいぶ上がった。以前のものは真上からまっすぐしか削れなかったですが、今のものは斜め彫りができる。10年前にはこんなの無理だろうと言われていたことが、今では当たり前のように普通にできる。FMCクラウンも、だいたい7割はワクシーという機械で作っています。今では精度は人間技を越えつつあると思います。 ― あらゆる技工で、デジタル化を?
ただ、難しいのは依然としてデンチャーです。機械化できる部分が少ない上に、作り手が圧倒的に不足している。我々が値上げを実施し、納期を延長しても、受注が全然減らないのでめちゃくちゃ忙しい。技工料が今の2倍になり納期も3倍になる、くらいのところでやらないとやっていけない。ただ、昔の時代に比べると歯が残るようになってきているので、デンチャーの数自体は少しずつ減ってきているんですよ。

つまり忙しい原因は、単に作り手不足なだけなんです。そこを変えるにはやはり制度自体が変わらないといけないんですが、一緒に声を上げて頂けるドクターがなかなかいないのが現実です。
シケンが強靭な企業体質を築けた、3つの理由
― シケンさんは、かなり独自路線を行っている印象がありますが。
そうですね。シケンが異色なのは、歯科材料の工場を持つメーカーでもあること、国際展開を積極的に進めているところですね。フィリピンのセブ島に歯科材料の製造工場、マニラに歯科技工所があります。また、ロサンゼルスにも事務所がありまして、歯科材料の営業拠点になっています。子会社のクエストは先代が23年ほど前に買った会社でして、当時からフィリピンに工場を持って操業していたんですね。人工歯だったり、PMMAのディスクだったり、技工士が使うような様々な材料を作っています。ラーメン屋が製麺業もやるようなもんです。 我々も含めて技工所のメーカー化が進んできていると思います。逆に、メーカーの技工所化は大変ですよ。というのは、残念ながら技工所の方がメーカーより休みが少なく給料も安いですから、メーカーが技工所をやるというのは付加価値の低い方に行くということになります。加えて、メーカーは、ある意味「補綴物のような細やかなやり取り」を、歯医者さんの相手を個別にしたことはないわけです(笑)一方で僕らは、アナログに飛び込み訪問を繰り返してきた歴戦の強者たちですから、言ってみればそこは本業なわけです。 ― なるほど、メーカーが技工所をやるのは合理的でないと。
だから、メーカーさんが特定の材料を売るために技工所をやってもなかなか難しい。技工というのは、こっちにとって都合のいい技工物だけ扱うわけじゃなくて、たとえばインレーなど面倒な作業もやるから、他の仕事もいただけるという面もあります。スーパーで1円で卵を売っているようなもんですね(笑)あれがあるからお客さんが来て、他のものも買っていってくれる。なのでメーカーが技工に参入しておいしいところだけ取ろうとしても、なかなか採算が合わないと思います。 正直、シケンにコスト競争を挑むのは大変だと思いますよ。拠点は田舎にあって、社員もあんまりやめなくて、しかも材料までやっている。コスト勝負しかけるのはちょっと無謀でしょう。そう言えるだけの強い体質をシケンは整えています。 とはいっても、メーカー業だって簡単ではないです。この材料の開発にも数億円ほどかかりました。開発費もそうですが、売上と同じくらいの在庫を準備しなきゃならない。種類も多くて、大きさ・形・色がそれぞれ4種類の合計64種類があります。これだけの種類と在庫を持つというのは結構大変ですよ。だから、ある程度の大きさが自国市場にないとなかなか参入できない。日本は保険制度があって、歯をいくつ並べたらいくらと決まっていますから、逆に現在のように4社寡占になっているところはあると思います。
材料の海外展開には技術指導も必須
― 海外にも材料を販売されているのですか?
はい。ミャンマー、スリランカ、インドネシア、タイなど、アジアを中心に約10ヶ国ほどの販売実績があります。こうした国では、材料を売るだけではなく一緒に医療技術の指導も行っています。テロが起きる前のスリランカには、技工士を直接派遣して技術指導をしていました。シケンが行くだけではなく、海外からの技術研修の受け入れもあります。 ― 海外で技術指導までされているんですね。
技工士教育って他の国ではあまりないんですよ。市場規模が小さいので、50~60年前の日本と一緒で、歯科医師が技工物を作っているんです。当然ながら技工の教科書もない。ただ、彼らは英語が読めるので、英語圏の教科書が使えるんですが。アジア圏は経済発展が著しいわけですが、すぐに歯科市場が大きくなるわけではない。それは、お金を持っている患者だけじゃなくて、腕が良く良識を持った歯科医師と、材料を入れる僕らのようなサプライヤー、入れ歯・差し歯を作る技工士が揃わないと成熟してこないからです。 ― 海外展開でメインとされている国はあるのですか?
それはフィリピンになりますね。フィリピンでは歯科技工所で現地人材を育成しています。これは散髪屋を世界展開するのと、ハサミとシャンプーを売るのとどちらが簡単かみたいな話で。それだと、ハサミとシャンプーを売る方が簡単なんですね。フィリピンの技工所ではデザインの仕事も受けています。アメリカの同業者からデータを受け取ってフィリピンでデザインをして返すというビジネスです。

フィリピン人は英語ができて、地理的にはアメリカの真反対にありますから時差的なメリットがあるんです。このデザインビジネスは始めた時は世界でオンリーワンでしたが、最近は南米に競合が現れていますね。とはいえ、依頼自体も増えていますし、今後のビジネスの一つとして期待しています。
社員の待遇改善を図り、業界全体を変えていきたい
― 最近の日本国内の活動はいかがですか?
最近、熊本に工場を作ったんです。九州展開の予定はもとはなかったんですが、10年ほど前から九州の若者たちの採用が増えてきましたので、そちらにも拠点を作ったという状況です。歯科技工士は採用難ですから、入ってくれる人の多いところに拠点を設けて人材を確保しようという狙いです。色々な取り組みのおかげで、去年は約40人の新卒者を採用できました。その7割が女性ですね。 ― 新卒を40人も!?人材採用難の中、かなり多いですね。
そうですね。シケンの離職率は数%で、業界の標準からすると相当に低いのですが、もっともっと低くしていきたい。そのためにも、特に人に関する取り組みは続けていきたいと思っています。安心して長く働けなければ、この業界は終わってしまいますからね。 ― 今後、シケンはどういったところを目指していくのですか?
野望といいますか、自分として考えていることは、業界のためにも、まずはシケンの社員だけでも待遇をもっともっと良くしていきたいんです。この業界の相場は、休みが年間105日、年収400万円です。せめて週休2日の年収500万にしないといけないと強く思っています。

給料と時間に見合わなくてもいいと考える職人肌の技工士がいることも事実なんですが、そこに照準ラインを合わせたのでは業界ごと沈んでしまいます。そういう状況を防ぐためにも、業界全体を変えられるくらいにもっとわれわれのシェアを伸ばしていかなければならないと思っています。 どうもありがとうございました。
編集後記/高崎
業界第2位の売上規模で、材料メーカーとしても事業を広げ、さらに積極的に海外展開もしているシケン。島社長のお話を聞きし、これからも絶対に伸びる会社だと確信した。採用難の時代にもかかわらず多くの若手を採用でき、業界でも圧倒的に低い離職率を実現できていることは良い会社である証拠でもある。技工物製作の現場も拝見させて頂いたが、製造業として「ここまで高い生産性を実現しているのか」とその業務管理のレベルの高さに驚いた。技工業界という枠組みだけでなく、日本を代表する会社の一つとして、このような志の高い企業が世界に展開していくことが望まれる。

全国に技工所7ヶ所、営業所26ヶ所を持つ、国内屈指の規模の歯科技工所、シケン。社長の島 隆寛氏は、高品質な技工物を歯科医院に安定的に提供することと、従業員が一生安心して歯科技工士という職業に携われること、を両立すべく業界でもいち早く「デジタル化」と「働き方改革」に着手。今では、激務になりがちな歯科技工業界にありながら、超低離職率な優良企業の一つとして知られる。大型技工所の強みを生かし、クラウン、デンチャー、インプラント、矯正など、幅広い歯科技工物に対応している

株式会社シケン | 徳島県小松島市
〒773-0009 徳島県小松島市芝生町字西居屋敷55-1
<沿革>
1979年 株式会社シケン設立
アクセス

技工物種類 対応可否
保険FMC
自費クラウン/ブリッジ
自費インレー・アンレー
CADCAM冠
チタン冠
インプラント(ストローマン)
インプラント(ノーベル)
インプラント(その他)
デンチャー(保険)
デンチャー(自費)
矯正
マウスピース矯正
マウスガード
自費TEK
ラミネートべニア

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