代表インタビュー ラボの基本情報 取扱技工物 求人情報 スタッフの声
代表取締役
日高 洋幸(ひだか ひろゆき)
1996年 大阪歯科大学附属歯科技工士専門学校 卒業
1996年 株式会社六甲歯研 勤務
2002年 歯科外資メーカー 勤務
2015年 UNICON 開設
マイクロスコープを使って最終チェックを行う、超のつく完璧主義者。調整なしで患者の口に入ることへの絶対的なこだわりと、義歯に関する全ての技工を任せられる高い技工技術を持つ敏腕技工士
デンチャー関連技工を一手に引き受ける技術力
― ユニコンさんのラボとして強みは何ですか?義歯のことならすべて相談できるという「圧倒的な技術力」ですね。たとえば、最近、コーヌスという技術が非常に見直されてきているのですが、昔の技術なので出来るラボが少ないんですね。UNICONではそうした古い技術もしっかり継承してきています。一方で、インプラントやノンクラスプのような、審美を意識した最新の技術もカバーしていますので、技術力は間違いなく、国内でトップクラスだと思います。 もう一つの強みとしては、デンチャーが入る支台や、デンチャーがらみの歯冠修復も同時に受けられることですね。維持装置がかかるところの歯も、うちでは一緒に作れるんです。義歯は義歯だけ、クラウンはクラウンだけと言うように、特定の技工物に特化していく傾向がある中で、義歯が入る場合には全ての技工をUNICONに任せられるというのが、うちのラボの強みかなと思います。 ― 義歯にまつわる全ての技工を任せられるメリットとは?
欠損の部分にかかる力とか、負担を強いられる歯にかかる力を全部考えた上で、こういう設計がいいんじゃないですかという提案を先生にできるんですね。残存歯に負担がかかりづらいようにするとか、前から見た時にクラスプが見えづらいようにするとか、半年後、一年後に、この残存歯がダメになっちゃう可能性が大きいからダメになったときのために設計を変更、追加できるような「未来も考慮に入れた設計」にしようとか、先生が最高の治療を行うために必要なコミュニケーションができます。そこまでドクター目線で話せるラボって、実はほとんどないんです。 ― 確かにそういった設計から話ができるラボって、あまりなさそうですね。
そうですね。本来は義歯の設計って先生のお仕事なんですが、そこに自信を持ってできる先生が少なくなっていると感じています。大学での技工関連の実習が今は全然なくなっていることに加えて、現在は歯科医師の診療内容も専門的になり、それぞれがより深い内容になっていっていまいますので、補綴を勉強する機会自体が少なくなってしまっているんですよね。先生にも機会やご経験が少なくて設計から技工所に任せざるを得ない状況があったりします。この歯とこの歯を補綴し直すことが必要とか、どんな材料を使ったらいいか、どの手順で進めたらいいかな、ゼロからの相談になることも多いですね。
調整なしで入る義歯を作る
義歯屋として一番嬉しい評価としては、患者さんのお口に入れる時に「何も調整せずに入ったよ」と言っていただけることですね(笑)入れた後にはもちろん微細な調整があるわけですが、入れる時に何も調整せずに入るというのは、うちの一番の魅力だと思います。 ― 義歯で調整なしって、あまり聞かないですね。そうなんですよ。普通、作った義歯は模型には入らない。でもうちの場合には、模型に義歯がパチっと入るんです。これは義歯屋からすると、当たり前ではないことなんです。当然、患者さんのお口にも調整なしに入ります。 「義歯をセットするとき、義歯を患者の口に入れる前に、まず入れるための作業が必要だ」と先生からよくお聞きします。色々調整してようやく入って、そこから更に高いとか低いとか、当たっているとか痛いとかの調整に入れるというのが大半のケースということです。そうすると、どうしてもチェアタイムが長くなってしまうんです。でも、義歯が口に入る入らないでつまずくのはナンセンスだと思うんですね。義歯が入ったところをスタートにしたい。 うちは他のラボよりも少しだけ高い価格設定になっています。でも、先生のチェアタイムが大幅に短くなると考えると、実は歯科医院にとってはかなりお得なんです。歯科医院の売上にも間違いなく貢献できますし、先生にとても満足して頂いているので有難いことに技工料が高いと言われたことはほとんどないんです。
義歯専門の技工士を志したきっかけは祖父
― 日高さんが義歯専門になったきっかけは?私はもともと義歯をやろうと思って技工士になったので、最初の就職先は大手ラボの義歯課に入ったんです。そうしたら、義歯は義歯だけ勉強していても作れないということにすぐに気づきました(笑)なのでその後、保険も自費も義歯や歯冠修復、矯正、インプラントも全て扱わせていただける院内ラボに就職しました。 若い頃は、がむしゃらに技工をやり続けたので、自分のほしい技術がどんどん身につきましたね。しかも、そこの歯科医院はドイツにもよく行っていた医院長だったので、日本の専門書だけでなく、ドイツの専門書等もあって。また、そこで得た知識を実際にやらせていただける環境でしたし、当時は他にはなかなかないような機械も入っていたりと、今から考えるとかなり恵まれていたなと思います。
でも、労働時間としてはとても厳しくて、寝る暇も休む暇もなく技工をやり続けていました。3ヶ月間、土日休みなしで延々と朝まで働き続けていたら、ある日突然、先輩がドーンと目の前で倒れるのを目にしたこともあります(笑)今では、そんな働き方は絶対に許されませんよね(笑) ― ちなみに技工の中でも、義歯をやりたいと思ったのは?
義歯を作りたいと思ったきっかけは祖父の存在ですね。ありきたりな話ですけれども、入れ歯をいっぱい持っていて、どれも合わなくて、いつも自分で自分の義歯をヤスリで削って入れているのをいつも目にしていて、どうしてそういうことが起こるんだろう、と。自分がそういうことをちゃんとできるようになればいいなと漠然と考え始めて、自分は義歯を極めようと決めました。今ほどではないですけれど、当時でも義歯を目指すというのは珍しかったですよ。 ― おじいちゃんがきっかけだったのですね。
はい。祖父に義歯を作ってあげるというのが自分にとって最初のゴールだったんです。でもそこから完全に、どっぷり義歯にはまってしまいました(笑)祖父は一度も作り直すことなく、自分で削ることなく、死ぬまでずっと僕の義歯を使い続けてくれましたね。その時も調整せずに入って、祖父は本当に喜んでくれました。それだけ喜んでもらえるということを目の前で見たので本当に印象的でしたね。総義歯だったんですけれども、しっかり食べられるようになって。
一流の仕事で目を養ったメーカー勤務時代
― 日高さんはメーカーでも働いていたと聞いたのですが?そうなんです。開業しようと思っていた27歳頃、講習会に通っていたドイツのメーカーからうちで働かないかと誘って頂きまして。開業準備も進んでいる頃だったので迷ったんですが、そのメーカーが義歯の技術と、材料や機械で世界トップシェアだったんですね。色々なことを勉強できる機会がありそうだし、世界で金賞を受賞していた小野寺さんという有名な技工士さんもその会社にいたんです。その人のもとで勉強できるし、最先端の技術や機械も使えるし、いい機会だと思って入社したんです。 営業職としての入社でしたが、会社が持っている研修センターで技工士やドクターに技術や材料を紹介することも仕事でした。週末は研修、平日は営業という形でやっていましたので、技工から離れることはなく生活ができました。私がラッキーだったのは、そこで日本中のトップレベルの技工士さん達と出会えたことですね。実際、暇さえあればラボに出入りさせていただき色々と見学させてもらっていました。営業職でしたから時間はかなりの自由が効いたんです。もちろん営業成績も作った上でですが(笑) ― メーカーの営業も経験されているからこその強みもありますか?
間違いなくあります(笑)メーカーの営業職の中には技工について勉強した人はいると思います。ただ、その経験をもとに、歯科技工士として仕事をやっているのは、日本の中ではほとんどいないと思います。トップレベルのラボに入り浸ることによって、とにかく自分の目が養われたと思います。一流のものばかり見ていたら、そうでないものに違和感をすごく持つわけです。だから、技工物の最終チェックは必ず私がしています。
最終チェックはマイクロスコープで徹底的に
技工物の最終チェックは、全て日高さんがされているのですね。はい、全部やっています。そして最終チェックはマイクロスコープを使うんですよ。マイクロを使わなくてもだいたい分かるんですが、全体を俯瞰して、違和感を持ったところだけをマイクロで確認します。そうすると、やっぱりおかしいところがある。それで、「ほら、ここをマイクロで見てごらん」と担当技工士に見せて再調整させています。 クラウンの場合は、一流の技工士はみんなマイクロで確認していますよね。でも、デンチャーをマイクロで見る人はいないんです。営業時代に、クラウンの一流の人もたくさん見てきたので、そちらが私にとっての当たり前になったということです。 でも、チェックが細かくてスタッフは苦労していると思いますね(笑)でも、これでいいや、という状態で出すことは絶対にできません。そういう高い品質の技工物を作り続けていくことで、会社の評価が上がっていくと思うんです。会社の評価は私ではなく、みんなに対する評価、みんなの出している結果だという話をよくスタッフにしています。 我々にとっては、たくさん作っているうちの一つかもしれないけれども、患者さんにとってはこれが唯一オンリーワンのものだということを理解してほしいと。だからウチの技工士にやり直しをさせること自体は、全然スタッフに悪いと思わないんですね。ダメな理由を説明することなしにやり直しをさせることもありませんから。 価格が高いんでしょ、と言われることはもちろんあります。チェアタイムがこれだけ少なくなるからトータルでは歯科医院にとって経済的なメリットがあるとお話しすると、ご理解いただけるところがほとんどです。ご理解いただけるところは大きく3パターンです。 1つが、代診の先生がたくさんいらっしゃるような大きな歯科医院ですね。色々な先生が出入りされる中で、先生のご経験や技術に関係なく義歯がきちんと入っていくので、チェアタイムの短縮というのが非常に見えやすい。もう1つが、訪問診療をしている歯科医院。訪問診療は印象も診断も難しく、限られた条件の中でベターなものを作っていく必要があります。そういったものもユニコンの得意分野になります。最後の一つは自費診療専門の歯科医院です。細かい部分の対応が非常にやりやすいと言っていただけています。うちの今の取引先の歯科医院は、義歯をやっていないトップクラスの技工士さんに紹介してもらったところが多いんですよ。同業者の皆さんが信頼してくださっているということが、義歯屋としては本当にうれしいです。
引き出しとしてうちのラボを使ってほしい
― どういったドクターと一緒に仕事がしたいですか?患者さんのことを考えて治療を進めている先生に、うちの義歯を使っていただきたいですね。特に保険の義歯というのはやれる範囲が決まっているので、こうやったら良くなる、と患者さんのことを思って説明ができる先生がいいですね。 実際、義歯に対するトラウマを抱えている患者さんて本当に多いんです。入らない、痛い、合わない。それで半年ごとに入れ歯を作り直しているという風に。その中で、先生もそういうトラウマの相手をずっとしているものですから、とても大変です。保険だからねって、なってしまう先生がいるのもうなづけます。でも保険だって、患者さんの話を聞いて、ちゃんと設計してあげれば、患者さんが満足するものが作れます。そうすれば更に美味しいものを食べたい、良い義歯を作りたいと自費に繋がることが多いです。そのための引き出しとして、うちを使ってほしいなと思います。 もちろん遠距離ですと立会いは難しくなりますが、関東圏内でしたら足を運ぶこともあります。もし立会いができない場合でも、電話やメールのやりとりで十分カバーできています。
技工業界の企業化を目指して
私は義歯を作る人が目に見えて減る中で、このまま大好きな義歯が衰退するのはいてもたってもいられず、義歯の作り手を育てたいという思いだけで開業しました。開業して、会社を運営する中で感じていることは、技工業界には企業化が必要だということです。製造業として、常に同じ品質の技工物を安定して継続的に生産できるようにならないといけない。それが「企業」だと思うんですね。 これは自分がメーカーに勤めた経験があるから考えるようになったことかもしれません。技工業界では、担当者がやめたらクオリティが揃わなくなった、従業員数が増えたら品質が下がった、というのはよく聞く話ですが、それではいけない。それでは「企業」ではない。極端な話、自分が明日死んでも同じものが出来るような、そういう状態を作らなければならないと思っています。 臨床経験の問題で、先生との話はどうしても私が担っていますけれども、製造物に関しては日高がチェックしなくてもちゃんとしたクオリティのものが出ていくような「企業」にしたいですね。どうもありがとうございました。
編集後記/高崎
日高さんを一言で表現すると、義歯を極めたトップランナー。マイクロスコープでの徹底した最終チェックや、チェアタイムゼロで、患者様の口に入る義歯を作る技術力。義歯専門の歯科技工士として、日本有数の実力を持っているのと同時に、「企業」として安定した品質を提供するという、経営者としての視点にも感銘を受けた。だからこそ、多くのドクター、そして患者様から信頼されているのだなと感じた。
日高さんを一言で表現すると、義歯を極めたトップランナー。マイクロスコープでの徹底した最終チェックや、チェアタイムゼロで、患者様の口に入る義歯を作る技術力。義歯専門の歯科技工士として、日本有数の実力を持っているのと同時に、「企業」として安定した品質を提供するという、経営者としての視点にも感銘を受けた。だからこそ、多くのドクター、そして患者様から信頼されているのだなと感じた。
東京都台東区にラボを構える義歯専門の歯科技工所、UNICON(ユニコン)。代表の日高洋幸氏は、歯科技工士として大型ラボ(義歯部門)、歯科医院院内ラボ、個人ラボに勤務後、歯科関連メーカーに転職した後に、歯科技工所を開業した異色の歯科技工士である。東京医科歯科大学では非常勤講師も務めており、名実ともに、義歯の技工業界を代表する歯科技工士の一人である。義歯の技工に関わる高度な技工技術(保険補綴から自費補綴(金属床、ミリングワーク、コーヌス、PFM(MB)、インプラント、矯正、レーザー溶接)を有するだけでなく、メーカーでの営業経験から材料、機器、最新技術についても幅広く理解している、マルチな技工士としても知られる。
UNICONの基本情報
UNICON|茨城県つくば市
〒305-0017
<沿革>
〒305-0017
茨城県つくば市横町 695-3
<沿革>
2015年 UNICON 設立
UNICONへのアクセス
技工物種類 | 対応可否 |
---|---|
保険FMC | - |
自費クラウン/ブリッジ | - |
自費インレー・アンレー | - |
CADCAM冠 | - |
チタン冠 | - |
インプラント(ストローマン) | - |
インプラント(ノーベル) | - |
インプラント(その他) | - |
デンチャー(保険) | 〇 |
デンチャー(自費) | 〇 |
矯正 | - |
マウスピース矯正 | - |
マウスガード | - |
自費TEK | 〇 |
ラミネートべニア | - |
求人項目 | 概要 |
---|---|
募集職種 | 求人情報がありません。 |
給与/賞与 | 求人情報がありません。 |
勤務時間 | 求人情報がありません。 |
勤務地 | 求人情報がありません。 |
休日 | 求人情報がありません。 |
福利厚生 | 求人情報がありません。 |
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製造責任者
石井将樹(いしい まさき)
2003年 茨城歯科専門学校 卒業
2003年 桜デンタルラボラトリー 勤務
2012年 茨城県内歯科医院 勤務
2015年 UNICON 開設
デンチャーを愛し、デンチャーの未来を切り開く。筋金入りのデンチャー・オタク
総義歯を作って、かっこよく歯を並べたい
― 石井さんは、どのようなきっかけで歯科技工士に?技工士になりたいと思ったのは中学2年の時です。かなり早いですよね(笑)歯科技工士を紹介しているテレビ番組を見て興味を持ちました。中学校の授業で、将来の設計図を描くというのがあったのですが「高校卒業後に、茨城歯科専門学校へ行って10年間修行して30歳で開業」と書いたものが今も実家に置いてあります(笑) ― 中学2年で技工士を意識し始めるというのはかなり珍しいですね。
中学生の時のまま、歯科技工士いなるという憧れが消えることなく専門学校に入りました。でも入学してすぐに、僕にはセンスがないということが分かり、ショックを受けましたね(笑)当時、技工所でアルバイトをしていたので、同級生より知識は持っていたんですが、実習の授業で実際に技工物を作ってみると、ずば抜けたセンスのある人の技工物はやはり全然違うんですよね。生まれながらの天才的なセンスがない自分は、とにかく愚直に努力するしかないなと思いましたね(笑) ― なぜ義歯の専門家に?
当時アルバイトをしていたラボは、クラウン中心のラボでした。そのアルバイトで携わっていた「削られたところに詰める」という仕事に興味が持てなかったんです。それとは別に、天然歯と見分けのつかないような前歯を作るという道もありましたが、綺麗な前歯を作ることにもあまり魅力を感じなかったんです。一部分だけ作ることに面白いと思えなかったんですね。 でも総入れ歯だったら全部作ることができる。かっこよく歯を並べることができると思ったのが義歯に入るきっかけでした。専門学校で義歯を実際に作ってみると、義歯は本当に面白いなぁと感じました。早々に、「自分は絶対に義歯をやる!」と決意して、就職先も義歯のやれるところを探しました。
自分には武器がないと気づいて院内技工へ
― 最初の就職先はどのようなラボでしたか?最初に勤めた歯科技工所は、茨城の中でもトップクラスのところで、機材も最新のものが揃っていました。でも就職してすぐに完全に鼻をへし折られましたね(笑)先輩がやっていることが同じようにできない。そして時間もかかる。でも今思えば、当時はすごく突っ張ってたので、そういう人間が出来るようになんかならないですよね(笑)自分の状況や、周りの助言を受け入れない人間が成長なんかしないですもん。 ― 最初はかなり大変だったんですね
だから、やめようと思ったことはもう何度もありますよ(笑)でも当時の師匠や先輩が一生懸命、自分を引っ張り上げてくれて、毎月、講習会に連れて行ってくれました。その時は正直なところ、「お金もないのにキツイな」と思ってたんです。でもそれが、25歳頃になって突然、「あの時に受けたセミナーの内容だ!」みたいな感じで、独立した点でしかなかった知識が、一気に点と点がつながって線となっていき、知識がつながって理解できるようになったんです。 でも、一番の大きな転機は、自分が交通事故に遭ったことですかね。バイクに乗っている時のもらい事故だったんですが、もう少しで首をやられたかもしれない、というような大きな事故で、3ヶ月も仕事を休みました。その時にラボの社長と話をして、技工をやるのかやらないのか、やる気なら本気でやらないといけないと言われて。決断を迫られたわけです。そこで自分で迷いなく「自分は一生、技工をやっていきます」と本気で腹をくくったことによって、どんどん技工の世界にのめり込んでいきました。。 ― 覚悟を決めて技工の世界に残ったんですね。
はい。そのラボは開業を目指している若手だけが働けるラボでした。将来開業しますと宣言した上で、全力で教えてもらえるんです。そして開業してからも、そのラボから仕事を回してもらえる。その代わり、信じられないくらい求められるクオリティが高いので、本気で腕を磨かないといけないので、生半可な努力ではダメなのですが・・・(笑)。 最初のラボでは9年間働いて、そろそろ開業しようかなというタイミングになったんです。でも、その頃、たまたまあるスタディグループに入ったら、同年代の優秀な技工士がいっぱいいて。彼らに比べると俺には武器がない、これは開業しても負けるなと思いました。何かしら武器を手に入れなければいけないと思ったんです。それで、歯科医院内での技工経験も必要だと思い、歯科医院に入って院内技工を3年間やりました。
僕たちは世界を変えられる
― UNICONさんへは、どのようなきっかけで?それは院内技工を始めて3年目のことですね。同じ勉強会で話をするようになっていた日高から声をかけられました。実際に開業するしないは別として、「2人で開業したらどうなるかということを、一種のプロジェクトとして考えてみないか」ということでした。話を詰めていくと、それが本当に面白くて(笑)2人で喫茶店で、何時間も話し込んだり、これはやるしかないと思って、日高と一緒に開業することにしました。 ユニコンのコンセプトは明確に定義されています。「日高の知識と経験と私たち勤務している技工士の腕がセットで動くラボ」を目指していて、僕は日高の両腕になり、日高は頭脳として働く。日高は曖昧な話を一切しない人間なので。一から十まで筋道があって、そのすべてに理論と理屈と経験と数字があって、そのシナリオに疑いようがなかったですね。何よりも、最初から僕を認めてくれていたことも有難かったですね。 ― 日高さんと石井さんのコンビで会社を引っ張っているんですね。
基本的にはそうですね。日高が後ろにいることで、僕は思いっきり技工の仕事に集中できる。仕事をする中では日高が僕を叱る場面もあるし、お互いにぶつかることもある。でも、日高のいいところは自分が間違っていたなと思ったら、素直に謝るんです。僕が知っていて彼が知らないことも当然ありますからね。
僕が順序立てて説明すると、「あ、そうなんだ。それ知らなかったわ。ごめん」っていうのがすんなり出てくる人間なんです。だから自分も彼について行けます。そこが曖昧だったり、「俺が俺が」という形になると僕が反発してしまうでしょうね(笑)でも日高にはそういうところが全然なくて、人間性という面でも彼を尊敬しています。こんな気恥ずかしいこと、面と向かって彼には言ったことはないですけどね(笑) ちなみに、「時間は有限である。だから、何かを捨てないと効率を上げられない」というのが、以前勤めていたラボでの学びでした。でも日高は、それは違うと言います。どうすべきか「あるべき姿を」デザインし、それを「どうすれば実現できるか」を徹底的に考え抜く。
あちらを立てれば、こちらが立たず。という単純なトレードオフを受け入れるなと。新しい考えを入れて、新しい考えで会社を回していかないと、世界を変えることはできないし、新しい世界を作っていくことはできないんだ、と。 ― そこまで高い視座を持たれている方は、なかなかいないですね。
日高はここの社長業にとどまっていてはいけないと思っています。技工業界全体に貢献して、新しい世界を回していける人になってもらわないといけないと思っています。そのためには一日でも早く、僕が日高と同じポジションに上がっていかなければならないんです。 今、僕たちは「これまでと違うアプローチ」で義歯を作れるようになったら日本一になれると思っています。それで世界を変えられると思うし、それを本気で目指しています。今はどこの大きな会社でも、光学印象などはやっていたりしますが、基本的には模型があって金属を作って歯を排列して、というアプローチは同じ。これまでと違うアプローチで、同じクオリティのものを作れて量産できるのであれば、トップにもなれるんじゃないかなと。
壊さない、壊れないがユニコンの義歯
― UNICONさんの特徴はどんなところですか?UNICONの義歯は、「残存組織を壊さない」「そして義歯自体が壊れない」というのが大きな特徴です。この2つの中に、ぴったりするとか、よく噛めるとか、見栄えがいいとかいうことがすべて含まれていると考えています。 気をつけているのは、調整しない最初の段階で、ちゃんとお口に入るような状態に仕上げるということです。入れてもらえるかもらえないかがファーストステップだから、まずそこをクリアしなくてはいけない。そのためには、初期の段階ではあえて適合性を落とすこともあります。理論的には正しい形でも、実際に噛ませてみたら顎がこっちにずれていて、筋肉もこちら側に張っているから適合性を落としてでもこちら側を短くしておこう、とかですね。それはひたすらに、最初のセットで入る義歯にするためなんです。本当に重要なのは義歯がお口に入ってからの調整ですから。 また、セットしてくれる先生が入れやすいかどうかも大事です。僕たちがいかに良い義歯を制作したと思っても、先生は最初にその義歯を触る人なので、先生が入れやすい・取り外ししやすいというところも考えなければいけません。 品質管理体制としては、いまはこの人数なので、すべての技工物が僕と日高のダブルチェックを通過しています。一つの義歯を完成するまでに平均で12~13回のチェックポイントがあって、基本的には工程前に僕が全てチェックするのですが、僕はその義歯をずっと見続けているので、どうしても錯覚で見落としているものもある。それを日高が最終的な品質としてそれで良いのか?という観点で最終チェックをしています。そこでひっかかることもたくさんあるんです。スタートとゴールには必ず僕らが関わるという感じですね。
義歯専門ラボだからこそ、どんなささいことでも相談してほしい
― 組織、会社として確立された体制があるんですね。そうですね。UNICONのいまの体制はとてもうまく回っています。一人で作って営業もやってという一人ラボの形態は、もう今の時代にはそぐわないと思います。一人でデンチャーを作るには、あまりにも色々な方法が増えすぎていますし、保険も自費もやらないといけないとなると、時間があまりにも足りない。人を入れようにもそのための時間を取れない。育てる時間もない。そういう意味では、UNICONでは常に会社にいる僕が製造の責任を、顧客の対応や立ち会いをしている日高が顧客と組織、品質の管理を担っている今の体制はベストに近いと思っています。 ― どのようなドクターと一緒にお仕事がしたいですか?
悩んでいるドクターや、新しいことにチャレンジしたいドクターには、ぜひUNICONにお声がけして欲しいですね。こういう治療をやってみたいけれど、頼めるところがないとか、相談したいけれどもあまり聞けないとか。 ぼくらは義歯専門ですし、色々な理論を知っているし、色々な先生ともお付き合いがある。UNICONだけで、義歯技工に関わるほとんどの問題は解決できると思っています。だからチャレンジしたい人には最適なパートナーになれると思います。 ― 働く方も、高い専門性を身につけられそうですね。
はい。若い技工士の人についても、同じことがいえると思います。チャレンジしたい技工士にぜひ来てほしい。僕も日高も叩かれて育った世代で、そういった下積みは必要ではあると思います。でも一方で、今の若い人たちはその下積みをそのまま継承する必要はないと思うんです。今の時代に合った働き方を追求しているので、昔のような「きつい、汚い」のようなラボとは全然違います。実際にラボ内を見て頂ければ、綺麗さなどは一目瞭然ですよね(笑)義歯のラボでこんなきれいなラボは他にはないと思います。 UNICONのシステムと社風だったら、最短距離で、若手技工士のスキルを引っ張りあげられると思います。5年もせずにドクターとしっかり議論ができて、問題提起できて、解決策も提示できる。国内の義歯業界で、”高い水準で”一人前の技工士に育てる自信があります。
「総入れ歯の人工歯を並べている時が一番楽しい」
― 仕事の喜びって、どういうところに感じますか?これは2年ほどまえにQDTに載せてもらったコーヌスの症例なんですが、立会いに行ったら「(僕の作った義歯を装着すると)若く見られるって言われちゃって、この義歯、とても気に入っているのよね」って話してくださった患者さんがいらっしゃいます。義歯を付けた自分の姿を気に入ってもらえる、義歯をウィークポイントではなくチャームポイントとして捉えていただけるって、最高の褒め言葉だと思うんですよね。 最初からそんなにうまくいっていたわけではもちろんありません。僕は眼の前で、「気に入らない」って義歯を捨てられたことが何回もあります。前にいたラボで、認知症の方の義歯を作った時にそういうことがありました。そういう方っていい意味で素直なので、ダメなものはダメって言ってくれるんですよね。その頃の僕がこれがいいだろうと思ってやったことが、患者さんにとっては全然良くなくて、入れた後に先生が後ろ向いた瞬間に、ポイっと捨てられまして。それはさすがにショックでしたね(笑) 障害を持った方、認知症の方でも、ピタッとハマるといつまでも使ってもらえるし、ありがとうって手も握ってもらえる。そこはやはり、使っていただく方のことを考えて、独りよがりにならないものを作らないといけない、ということだと思います。 寝たきり一歩手前くらいだった祖母の義歯を作った経験もあります。師匠からお前作れと言われまして。その頃は自信がなくて、出来ませんと言ったのですが、失敗してなんぼだ、身内だったら厳しいことも言ってくれるからと言われて、何ヶ月もかけて作りました。 祖母はそれを死ぬまで15年くらい使ってくれまして、看取ってくれたお医者さんには、「この義歯が命を支えていました、これのおかげでここまで長生きできた」と言われました。イカの刺し身なんかもガンガン食べちゃうくらいで、食べるスピードも変わらなかったですね。祖母と一緒にお棺に入れてほしかったんですが、家族がそれは燃やさない方がいいと棺から出して。初心を忘れないようにするために、今でも大切に保管しています。 今は、CAD/CAM全盛の時代で、義歯の技工をやる人は減ってきていますが、実はめちゃくちゃ楽しいですよ(笑)変わっているのかもしれませんが(笑)、僕は総入れ歯の人工歯を並べているときが最高に楽しいんです。義歯がうまく入った患者さんの生活水準がとても向上することを祖母を通じて体験しているので、余計にそう思うのかもしれませんね(笑)
どうもありがとうございました。
編集後記/高江洌
石井さんを一言で表現すると、まさに義歯を愛する「デンチャーオタク」だと思う。ここまで義歯に対する愛情、情熱を持って仕事をされていることに驚いた。義歯専門のラボとして、高い品質を追求する仕組みが完成されており、それでもなお、高みを目指していく姿勢には感動すら覚える。自分や家族のデンチャーはUNICONさんにぜひ作ってもらいたいと強く感じた。
石井さんを一言で表現すると、まさに義歯を愛する「デンチャーオタク」だと思う。ここまで義歯に対する愛情、情熱を持って仕事をされていることに驚いた。義歯専門のラボとして、高い品質を追求する仕組みが完成されており、それでもなお、高みを目指していく姿勢には感動すら覚える。自分や家族のデンチャーはUNICONさんにぜひ作ってもらいたいと強く感じた。
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