所長インタビュー ラボの基本情報 取扱技工物 求人情報
所長
吉田 泰之(よしだ やすゆき)
2007年 新大阪歯科技工士専門学校 卒業歯科技工所勤務
2015年 院内ラボ勤務
2020年 義歯専門ラボ Fabricart開業
2023年 デジタルデンチャー専門ラボ
デンスマイル 所長就任
手先は器用だと小さな頃から思っていた
− 歯科技工士になろうと思ったきっかけは?父が理容師をしておりまして、いわゆる手に職を持っている職業なんですね。それで、私も手に職をつけるんだという意識が小さい頃からありました。
それと、手先が器用だということも小さな頃から思っていたので、手先が器用なことが活かせるような職業がいいなとも思っていました。それに当てはまるような進学先を調べたら新大阪技工士専門学校がヒットしまして、それで体験入学に参加したというのが歯科技工との出会いです。
体験入学が非常に楽しかったので、ここに入学しようとすぐに決めました。医療職に就きたいというのは全くなくて、手先の器用さが活かせる仕事というところで選びましたね。
小さい頃から絡まったネックレスを解くのが得意だったり、レゴブロックだとかプラモデルのような細かい作業を好んでやっていたところを親もよく見ていたんでしょうね。歯科技工士になりたいと言ったときには、すごくウェルカムな感じで応援してくれました。
先生に折られたカービング課題
とはいえ、専門学校に入学するまでは歯科技工という業界をまったく知らなかったんです。入学して、こういう世界があるんだなと初めて知って、そして歯科技工にはまりました。専門学校時代の思い出でよく覚えているのは、カービングの授業で作った課題を先生に ポキっ と折られたことですね。自分としてはまあまあ上手に出来たと思ってチェックをもらいに行ったら「まだできるよね?」って言われて、ポキっと折られた。 他の学生と比べて同じくらいか、それ以上だろうっていう仕上がりで持っていったつもりだったのに、先生に折られてしまったんです。
作ったものを折られてしまったというのは衝撃的でしたけれど、それで心が折れるとかいうことはなかったです。お前ならもっとやるだろう っていう期待があるということは感じ取れたので。
それに自分がもっと良いものを作れる生徒だと思われているというのはなんとなく分かりますし、その先生との信頼関係がある中での出来事でもあったので。
全然知らない先生にそんなことされたら反感だけだったと思いますが、普段自分のことをよく見てくれている担任の先生がそういうことをするのは何かしらの意図があるんだろうな、と。
そういう出来事はありましたけれども、専門学校では特に苦労を感じるようなことはなくて、勉強も実技も順調にこなしていくことができました。
院内ラボの経験が仕上げへのこだわりに
卒業後は中小ラボに2社ほど勤めたあと、院内ラボで働きました。そこで初めて臨床でデンチャーをやることになりまして。それでデンチャーの楽しさ・奥深さに触れて、開業するならばデンチャー専門でやりたいと思ったんです。デンチャー専門での開業には勇気が要りましたが、みんなが花形のクラウンに押し寄せているあいだに、ライバルの少ないデンチャーで一番になってやろうというのもありました(笑)
院内ラボに5年勤めた後に開業しまして、今年(2023年)の9月で3周年になります。デンチャーを作り始めてからまだ8年くらい。デンチャーはやればやるほど奥深い世界で、自分はまだ2、3合目にいるような感覚です。
院内ラボはそれまで勤めた技工所とは全然違いました。チェアサイドを見られるというのが院内ラボのうまみではありますが、一方で患者さんの声がダイレクトに聞こえ過ぎてしまうのがネガティブに働くところもあります。患者さんに言われたことがショックで、患者さんの目の前で凹んでしまう経験も実際ありました。
そういうショックな経験はありつつも、やっぱりいい経験にはなりました。患者さんにとって何がダメかを患者さんとの直接のやり取りの中で理解するというのは、自分の技術的な成長をとても助けてくれたと思います。
また、院内ラボの方が患者さんの予後がよく分かると思うんですが、そのことでひとつひとつの作業の完成度についての自分の意識が高まったと感じます。
たとえばですが、傷があるところに汚れはつくので、研磨が行き届いていなかったらそこに歯石がすごくたまってしまうんですよ。そういうのを、患者さんが来院されたときにお預かりして清掃する。
その時に歯間の部分に歯石がたくさん付いていたりすると、研磨が行き届いていなかったんだと分かります。傷のあるところに汚れはたまっていくので、ツルツルに研磨されていたら歯石は付かないんです。
だから歯石を目にすることで、作業の至らなかった点がダイレクトに伝わってくるし、じゃあ次はどうしたらいいかって考えるきっかけにもなる。めちゃくちゃいい経験でしたね。
それに、きれいなものだと患者さん自身もきれいに使ってくれるということも、肌で感じるようになりました。汚れていたら雑に扱ってしまうけれど、人間の心理として、きれいだったらやっぱりきれいなままにしておきたい。 そういうことがあるので、なるべくきれいなものを作りたいなと思うようになり、仕上げにもこだわるようになりました。
痛くないデンチャーは床のライン次第
デンチャーを作る上で気をつけていることは、排列と床のラインです。たとえば、下まで埋めることが不可能な場合に、どのラインでとっていかに吸着させるかに工夫があります。痛みが生じやすいケースというのはありますので、そういう時には床のラインの取り方は特に意識しています。デンチャーで痛みが出ることを防ぐには、いかに可動粘膜と固定粘膜を見分けていくかということだと思っています。極端に短くとったところが床縁になったらガンガン当たってめっちゃ痛い。広く取ってあげたら痛くないところでカバーできる。粘膜を考慮して作らなければならないというのが、クラウンとデンチャーでは最も違う点だと思っています。
自費と保険のデンチャーで取組み方が違うことは一切ありません。マテリアルの違いで作業が変わるということはもちろんありますが、自費だからこの噛ませ方とかいうのがあるわけではない。自費だから保険だからというのはあまり考えたことがないですね。
チェアサイドでの調整をいかに少なくするかは常に意識しています。そのためにやっているのは、最後のアナログでの調整を欠かさないことです。
いまはデジタルで作業をしますので、ひとつひとつ数値が出るわけですが、最後の調整は絶対にアナログでやります。デジタルを信用していないわけではないんですが、咬合であったりコンタクトのきつさであったりという調整がデジタルはまだ弱くて、最後のひと手間をかけることで仕上がりが全然違います。
たとえば咬合の当たりをゼロにしてもマウントしたら高いんです。厄介なのはいつも高いわけでなく、低くなるケースもある。そういうところをアナログで調整しておかないと、噛めない入れ歯になってしまったり、チェアサイドでの調整に非常に時間がかかってしまったりする。デジタルは今後どんどん広がっていくけれども、アナログの技術も不可欠なものだなと感じています。
デジタルに慣れるまではイライラが多かったですね。コンピュータだと思いも寄らないところでエラーが出てきてしまうんです。 たとえば、印象に気泡でひとつ穴が空いているとします。これをデータにするとエラーが起きて全然模型にならなかったりする。
こんな気泡はアナログだったらなんてことないんですけれども、デジタルに置き換わっただけで大問題になってしまうんです。エラーが起きて作れない、先に進めないということが起きる。そこは非常にストレスでした。
そんな中でのアナログ作業は私の癒やしでもあったんですが、デジタルを補完して完成度を高めるために不可欠な作業でもあります。
デジログデンチャー
調整の不要な精密なデンチャーがうちのラボの強みですが、他にPRしたいものとしては デジログデンチャー があります。保険の義歯ですと、填入するために模型ごと全部埋めてしまい、完成したら模型を割り出して取り出すので模型は残らないんですよ。なので、最終的な変形があった場合にエラーを見つけることができないというのがデメリットです。でも、うちでは床だけデジタルで作ってアナログで排列しているので、模型が最終的に残るという強みがある。デジタルでやると粘膜へのフィットはすごくいいんですが、それとアナログを融合させているのがうちの デジログデンチャー なわけです。
アナログとの融合はデジタルデンチャーではなかなかないと思いますので、そこがこのデンチャーのセールスポイントということになります。
デジタルの強みはなんといってもデータが残るということです。ですから、破折しちゃいましたと連絡がきた場合、次の日、タイミングによっては連絡を受けた当日にコピーデンチャーを発送できることもある。金属部分に関してはやっぱり日にちはかかってしまうんですけれども、まずは口に入れられて噛めるようなものをすぐに提供できる。これはデジタルの強みだと思います。
また、これは自費になるんですけれども、アンダーカットがつかめないような場合に内面にシリコンを貼って補正するということも可能です。普通だったら、アンダーカットがきつかったらスカスカになってしまうところを、内面が柔らかいシリコンがアンダーカットを深く掴んでくれるので深すぎる患者さんとかでもしっかり維持ができます。
患者さんにより良いものを一緒に という意識を共有したい
歯科医師 対 歯科技工士ではなく、人対人でおつきあいできる先生とお仕事ができればと願っています。たとえば訪問した時に、出てきてくれる、ひとことでもお話ができる、そういう関係が築けていますと、こちらからの提案もしやすく、より良いものをお作りできるようになる。たとえば、アナログ義歯からデジタル義歯への切替えといったお話もスムーズにお勧め出来たりするわけです。デンチャーの設計はしたことがない、あるいは不得意だよという先生も実はたくさんいらっしゃると思います。そういう先生から、こうしたいんだけどどうしたらいい?という相談を受けることは、私自身はとても嬉しいです。
でも、そういう相談はある程度の信頼関係がないとできないだろうと思うんですね。信頼関係があれば、技工士観点ではこういう考え方でやるのをお勧めしたい、ということも伝えやすくなります。
義歯については経験がないので分からない、お任せしたいということであれば、そういった形で進めることも可能です。大切なことは、患者さんのためにより良いものを一緒につくりたいというスタンスを共有できることだと思っています。
デンスマイルラボは、大阪府堺市に拠点を構える歯科技工所。日本でも数少ないデジタルデンチャーに特化したラボとして、2023年に開業。経験に裏付けされた匠の「アナログ技工」と最新鋭のマシンによる「デジタル技術」を融合させることで、最高級品質のデンチャーを実現しています。
デンスマイルラボの基本情報
デンスマイルラボ|大阪府堺市
〒590-0959
<沿革>
〒590-0959
大阪府堺市堺区大町西3-3-15
TEL: 072-260-9841
有床義歯学会 会員
BPS テクニカルハンズオンコース受講
<沿革>
2023年 デンスマイルラボ 設立
デンスマイルラボへのアクセス
技工物種類 | 対応可否 |
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保険FMC | - |
自費クラウン/ブリッジ | ◯ |
自費インレー・アンレー | ◯ |
CADCAM冠 | ◯ |
チタン冠 | ◯ |
インプラント(ストローマン) | - |
インプラント(ノーベル) | - |
インプラント(その他) | - |
デンチャー(保険) | ◯ |
デンチャー(自費) | ◯ |
矯正 | - |
マウスピース矯正 | - |
マウスガード | - |
自費TEK | ◯ |
ラミネートべニア | - |
各ラボの技工料や特徴をご説明させて頂きますので、お気軽にご相談ください!
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