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一念発起！５０代で歯科技工士の道へ！

− どのようなきっかけで歯科技工士になろうと思われたんですか？
最初は私は歯科技工士ではなく、主人が立ち上げたこの会社で事務サポートをしていたんです。でも、やはり自分が歯科技工士になって歯科技工士の仕事を体感した方が、よりスタッフに寄り添った労働環境を作ったり、社内のシステム作りができるのではないかと考えて、一念発起して５０代で歯科技工士の門をたたきました。

− いざ技工士になって大変なこともあったのでは？
そうですねぇ、仕事に慣れるまでさすがに色々と大変でした（笑）年齢も年齢ですから技工に関する専門用語を覚えたりもしなければいけませんでしたし。ただ、普段の仕事で耳慣れた言葉も多かったので、技工士になってからは昔に比べて色々なアイデアが浮かぶようになって、技工所の経営にプラスになる手応えを感じました。

普段から周りの技工所や技工士たちを見てて、年々歯科技工士になる若者が少なくなる中でなんとかこの歯科技工業界を活性化させたいという強い信念があったので、いろいろと苦労はありますが一度も辞めようと思ったことはないんです。こんなに素晴らしい仕事ってなかなかないと思うんですよね。

− 社内ではどんな存在なんですか？
私はもともと７人兄妹の６番目の末娘でした。両親も真面目で働き者で筋の曲がったことが大嫌いでしたので、とても厳しく育てられた幼少期を過ごしました。 そのせいもあってか、育つ過程で度胸がついたのでしょうかね。普段技工所のスタッフからは肝っ玉母さんのようなキャラだと思われているようです（笑）自分でも胆力はある方だと思いますし、性格も真っすぐな方なので、今後もみんなのお母さん的なポジションで頑張り続けたいと思っています。


− 技工所を経営するにあたってどのようなことに気を付けていますか？
社員に少しでも不安なことがあった時は、いつでも積極的に相談に乗れる雰囲気を作るように常に心がけています。うれしいことに、実際に社員からは仕事やプライベートの相談など気軽に声をかけてもらうことが多々あります。

ここ数年特に感じることの一つなのですが、若い人たちは昔に比べて仕事や家族、結婚など様々な悩みを抱えているんですよね。そういう技工に関係ないところも相談できる環境があるから、うちの技工所は居心地が良くて働き甲斐も感じられると言ってもらうことが少なくないんですよね。例えば、もし落ち込んでいる社員がいれば、一緒に食事したり、悩みによっては気晴らしが必要なこともあるので海のきれいなところに一緒に出掛けて話を聞いたりなんてこともあります。

もちろん仕事は仕事として大変ですが、プライベートが安定していないとなかなか仕事に身が入らないですもんね。スタッフはみんな可愛いですし、スタッフを「わが子」だと思って愛情をもって育てることは私の使命であり、大切な私の役割だと思っています。

ドクターの手を煩わせないものづくり

− 技工所はどのようなところが強みですか？
私達の技工所は、保険技工から自費の技工物、矯正、インプラントまであらゆる歯科技工物を取り扱う総合の歯科技工所なんです。ですので、とにかくまずは歯科医師の先生たちが、何か技工に関して相談したいと思ったら何でもすぐに相談できることが大きな強みだと思います。

会社を設立して以来、私には変わらない想いがありまして。それは「ドクターの手を煩わせない技工物を作る」ことと「ドクターにストレスを感じさせない技工物を届ける」ということです。

良い技工物を求める先生方は、一人一人に細かいこだわりがあって補綴物に対する好みがあるんですよね。例えばコンタクト調整はキツめを好む先生もいれば、ゆるめを好む先生もいます。歯科治療に対する考え方も、一つひとつ細かく突き詰めていくと、意外とみなさん異なったりもします。

歯科技工士である我々のスタッフは、先生たちの細かい要望をしっかり把握しなければ良い技工物が作れません。ですので、まずはお互いの信頼関係が確立されるまでしっかりと先生方のご要望に耳を傾けるようにしています。そして、最終的に満足し納得していただけるように営業担当者が手厚くサポートしています。

私の真っすぐな性格もあり、何よりも信用信頼を第一に考えて、誠実に仕事をしています。結果としてクリニックを継承されている２代目のご子息の先生方や３代目の先生方からも、それまでと変わらずに継続してご支持を頂いており、大変ありがたく、またそのことも私達のやりがいに繋がっています。

− どのような先生から支持されていると感じますか？
もちろん、先生からすると、技工料は安いに越したことはないでしょうが、それ以上に、高い品質の技工物をきちんと届けてほしいというドクターの方々から大変多くのお喜びの声を頂いています。

結局のところ、技工料金は安価でも、チェアタイムがかかってしまっては意味がないですもんね。もし再製になってしまうと患者さんにも迷惑をかけてしまいますし。やはり良い品質と適正価格を両立することが一番大事で、ドクターが素早く調整ができればチェアタイムの削減に繋がって、結果として、より多くの患者さんの診察ができることになります。

つい先日もあった話なのですが、他の技工所さんでなかなかフィットしなかった補綴物をウチに試しに仕事を出してみたらすごく上手くセットできたみたいで、「助かったよ、ありがとう。」というお褒めの言葉を頂いたときは純粋に嬉しかったですし、ウチの技工士のことが誇らしかったですね。

きっと我々が山口県で最大手の技工所でいられているのは、目の前の仕事をコツコツとやって先生たちと向き合い、先生たちからの期待に真面目に応えていくことを繰り返しているからだと思うんですよね。そのような仕事ぶりを評価して下さって、また仕事を出してもらえているんだと思うんです。

働きやすい環境づくり

− 社内の雰囲気や特徴を教えてください。
弊社は２０代から４０代まで様々な世代の技工士が働いています。また女性は、子育てと仕事の両立ができるように柔軟な勤務制度を設けています。

最近は、CAD/CAMのデザインに限ってですが、自宅でリモートワークを行っている社員もいるんですよ。結婚による県外への引越で退職を余儀なくされるところをリモートワークで勤務を継続してもらったりと、当社として今後も力を入れていきたいと思っている働き方改革の一つなんです。

このように勤務地がもし他県であっても働くことができる環境を用意することは働く人にとってはとても大きなメリットだと思うんです。冒頭に申し上げましたが、社員の働きやすい環境を整えて技工業界を活性化することが、私の役割であり使命だと考えています。

あともう一つ力を入れている制度があって、それは「パートナーラボ制度」です。ただの外注ではなく、一度弊社内で研修を受けてもらい補綴物の製作におけるスキルをアップしていただき、受講後に私達の仕事をそのままパートナーラボとして業務提携して行って頂いています。

パートナーラボになってくださったラボの方からは「利益率の高い仕事を優先的に行うことができる」、「自分自身のスキルアップができる」と、高い評価の声を頂いています。

たしかに技工業界には昔から他のラボに外注して手数料をいただくビジネスモデルもありますが、わたしたちは単なる外注関係ではなく、相互に助け合うという形でパートナーラボ制度を作っているため金銭的にもとても魅力的な組み方になっていると思います。その分、もしかすると勉強をして頂く必要があるかもしれないのですが、その環境は我々の方でご用意させていただきます。

もし興味がある新卒の技工士さんやパートナーラボをご検討の方々は、ぜひ一度お気軽に見学にいらしていただけますと嬉しいです！！

− 最後に一言、何か頂けますか。
我々が山口県で最大手のラボとして技工所を運営できているのは、仕事を出していただける先生方や、先生の要望に答えるために日夜勉強して自分の技術を磨いてくれている弊社の技工士たちのおかげです。普段なかなか面と向かって言う機会は少ないのですが、私は本当に心から感謝しています。これからもどうぞどうぞよろしくお願いいたします。

今後も歯科技工業界のために様々な視点から情報発信し、皆さんと一緒に歯科技工業界の明るい未来のために考えていくことができたらと思っています。