入れ歯作製、新素材で作製期間が1/3に大幅短縮

産業技術総合研究所と株式会社アイディエス(東京都文京区)は、3Dプリンティング用コバルトクロム合金粉末の薬事承認を取得した。この粉末を、金属用3Dプリンター(三次元金属粉末積層造形装置)で加工することにより、従来より短時間で立体的な入れ歯を作製することが可能となる。

金属用3Dプリンターは、正確には金属粉末積層造形装置と呼ばれ、一般的な3Dプリンターと異なり、粉末状になった金属を敷き詰め、そこにレーザーもしくはビームを照射して金属を溶かすという手法を取る。

今回の歯科材料の薬事承認によって、従来の金属製の入れ歯の作製方法より、短時間で、破損リスクの低い、低コストでの作製が可能となる。また今後、口腔内のデータがデジタル化される機会が増えるため、製品設計の迅速化も期待できる。今後は、この新たな材料による入れ歯作製の保険適用及び新素材の開発をすすめる。

※参考:三次元金属粉末積層造形装置(金属粉末積層造形機 ProX300(白銅株式会社))

新素材を利用するメリット
1. 作製開始して24時間以内に仕上げ加工が可能となるため、製造期間が従来の作製方法の1/3以下と、大幅に短縮が可能
2. 従来の、鋳造後に各パーツを溶接するなどの手間がなく、一体型となっているため破損などのリスクが低い
3. 無駄が出にくい製作プロセスなので、従来のコバルトクロム合金の鍛造加工に比べて低コストで製造が可能

具体的には、三次元金属粉末積層造形装置のテーブル上に敷き詰められた50 µm未満のコバルトクロム合金粉末に対して、レーザービームを照射/加熱し、合金粉末を溶かして結合させる。再び、テーブル状に新しく粉末を敷き、同様にレーザーを照射する。このような工程を繰り返すことにより、あらかじめ設計されたデザインの入れ歯を作製できる。同グループは今後、積層造形技術の保険適用を目指すとともに、敏感なアレルギー患者への配慮のため、チタン材料などの新たな材料での認可取得を目指すとしている。

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