Oh my teeth創業者、西野誠氏が語るマウスピース矯正への想い

歯医者に行くことが億劫に感じている方の気持ちに寄り添った体験を提供したい

矯正治療を通して歯科体験を変える

― Oh my teethを立ち上げた背景について教えてください。

Oh my teethは2019年10月創業で、まもなく3期目に入るヘルステックのスタートアップ企業です。準備期間を含めるとここまで来るのに5年ほどかかっています。
 
起業のきっかけは私自身の歯科体験にあります。社会人になってから「歯並びをなおしたい」と思い歯医者を受診しても、「予約をしたのに待たされる」、「何度も通院しなければならない」、「治療が終わるまでの総額がわからず不安」
という経験をしたのです。当時、システム会社でUX改善を行うエンジニアとして夜遅くまで働いた私にとって、負担が大きく矯正を諦めざるを得ませんでした。その時、システム開発と同じようにUXを徹底的に追求すれば、もっと良い歯科体験をデザインできるのではないかと思いました。

― ユーザーとしての原体験が、西野さんを動かしたのですね。

歯医者での体験を変えたいという想いが強くなって周りにヒアリングする中で、出会ったのが共同創業者とその奥さんです。共同創業者の奥さんは矯正歯科クリニックで歯科衛生士をされていました。詳しく聞くと、モチベーションが保てず途中で挫折して矯正をやめてしまう人が意外とたくさんいることが分かりました。
 
この「続けられない」という課題については、たくさんの矯正経験者が共感してくれて、そこに顧客体験のデザイン余地があるのではないかと思いました。実際、我々が行った調査でも、2~3割が矯正治療で挫折しているという結果が出ています。

矯正装置を付け続けるモチベーションをどう保つかが鍵

― そして、マウスピース矯正の分野で顧客体験のデザインをしようと?
そうですね。マウスピース矯正は、1日に20時間以上の装着が必要なのですが、実際に利用者アンケートをしてみると、寝ている間しか付けていない人が一定数いました。マウスピースを付け続けるというのは、大変なことなのだと思います。
 
食事で外さないといけない、もう一度装着する前にきれいに歯を磨かなければいけない。きっと忙しい人なんかは朝ごはん食べた後、ちょっとしたらもうすぐ昼になるからそれまでは外したままでいいや、ってなるんでしょうね。間食が多い人だと日中外したまま過ごしてしまい、気がつくと午後3時とか4時になっていて、「もうすぐ夕食だから、もうこのままでいいや」と装着しない時間が増えてしまいます。
 
そうなると当然、もともと3ヶ月で終了する予定がどんどん遅延してしまいますよね。でも、歯医者で提示される治療期間から自分が遅延しているとなかなかなかなか気づけないんです。

― たしかに、モチベーションを保つのが難しそうですね。
そうですね。モチベーションコントロールがマウスピース矯正成功の鍵になると思い、LINEを使ったサポート体制を構築しました。モチベーションが維持できずに挫折してしまうのはダイエットと同じだと思ったので、「理想の身体を作るためのマンツーマントレーニング」を実現しているライザップのようにユーザーに寄り添うような機能を重視しました。
 
LINEでのサポートは大きく3つあります。1つは、装着時間の管理。毎朝送られてくる前日の装着時間の確認LINEに回答し、1週間経過すると、週次レポートが届くようになっています。
 
レポートでは、先週に比べると今週の装着時間はどのくらい長いのか/短いのかが分かります。装着時間を管理することによって、あとどのくらいで治療が完了しますとか、もし装着時間が短いとこのくらいの期間の遅延が発生しますよというアドバイスを受けることもできるんです。

―ユーザーが自分の進捗を確認できるようになっているんですね。

そうですね。進捗状況をビジュアルでしっかりと見せていくことが大事だと思っています。2つ目は、マニュアルなんですが、カスタマーサポートを行っているドクターや医療チームのメンバーから励ましの言葉が届くという仕組みです。ユーザーの状況に応じて、臨床や自分の矯正経験も踏まえたアドバイスやコメントをタイムリーに送ることでモチベーション管理をしています。事実、創業以来約2年で70万回以上、医療チームとのやりとりが発生しています。矯正終了時に、「LINEでのアドバイスが嬉しかった」「夜中でもドクターから返事がもらえて驚いた」と言ってくれるユーザーも多いですね。
 
3つ目は週1回の写真でのドクターレビュー。
 

独自に開発したAIを搭載のカメラアプリを使用して、歯並びの写真を送るとドクターからアドバイスが届きます。毎週ドクターに歯並びの状態を共有するというのは、オンラインならではの仕組みだと思っています。ユーザー一人で矯正を進めるのではなく、ゴールまで伴走したいという想いからです。

実は矯正医と密接に連携しています

― 徹底的にユーザーに寄り添うスタンスだと感じました。
ただし、誰でもOh my teethで歯並びをなおせるというわけではありません。「短期間で歯並びをなおす」というコンセプトのもと、独自のメディカルポリシーに基づいて適応症例を限定しています。

▷Oh my teethのメディカルポリシー

 
スキャンデータ、レントゲンやCT、口腔内の状況をもとに複数のドクターの診断し、Oh my teethの適合条件に当てはまらなかった場合は、残念ながら不適合としてお断りしています。

男性客が大半を占める結果に驚く

― ちなみに男性、女性どちらの割合が多いですか?
男性ですね。Oh my teethのユーザーは30歳前後の方が多く、約7割が男性です。歯科矯正のユーザーさんは普通、7~8割は女性だと聞きました。さらに矯正歯科を一度は受診した経験のある方が多いそうです。
 
一方、Oh my teethのユーザーは、そのグループとはかぶっていません。少し自分の歯並びを気にしているけれども「忙しくて通えないし、100万円を払うほどではないなぁ」と感じている、矯正歯科の受診歴がない男性です。これは、自分でも意外でしたね。

― 男性の方が多いのは意外ですね。
そうですね。私はOh my teethのプロダクトをApple社の製品のような「ワクワク感」あるものにしたいと思っています。ユーザーから選ばれるブランドになっていきたいですね。

最後にユーザーに口にしてほしい言葉がサービス名の由来

― Oh my teethという名前の由来を教えていただけますか?変わったサービス名だと思うのですが。
マウスピース矯正が終わった時に、ユーザーが鏡を見て言ってほしい言葉をサービス名にしました。「Oh!(こんなに自分の歯並びがきれいになっている)」と驚いているイメージです。ブランドアイコンの「!(ビックリマーク)」は、その驚きを表しています。単に歯並びを変えるだけでなく、歯科矯正体験を通じてユーザーを驚かせたいという想いがもとになっています。

― 今後の展望について教えてください
まずは主要都市にサービスエリアを拡大していきます。現在、Oh my teethのサービスを提供しているクリニックは、東京・表参道と大阪・南堀江の2医院のみです。「定期的な通院はないから」とか「出張のついでに」と近隣の県から来店する方も多い一方、「遠くて行けない」という声も全国から届いています。
 
今後は矯正歯科医院とのネットワークも拡大し、矯正歯科全体の市場を盛り上げていきたいと思っています。

― ありがとうございました。

会社概要
名称:株式会社Oh my teeth
代表者:代表取締役CEO 西野誠
設立日:2019年10月18日
事業内容:マウスピース矯正D2Cブランド「Oh my teeth」の企画・開発・運営

▼公式サイトはこちらから▼
https://www.oh-my-teeth.com

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