技工物のクオリティを50%高める、写真撮影3つの技術

今回は特別に、技工士ドットコムにおいてラボ検索順位1位(2019年2月1日現在)のQLデンタルメーカーの石原代表より、再製を減らし、より質の高い技工物を作る上で、普段、歯科医院にお願いしている写真撮影の3つのポイントについて、寄稿して頂きました。

執筆:QLデンタルメーカー 石原孝樹

前歯部症例、いわゆる前歯の補綴物は、最も高いクオリティが求められます。患者様が毎日鏡で目にするところであり、人からも見れる部分です。患者様ご自身も、前歯部の補綴物のクオリティが低ければ、人前で笑顔になりにくかったり、自分に自信が持てなくなってしまったり、いわゆるQOL(クオリティ・オブ・ライフ)が、低下してしまいます。

前歯部補綴物の完成度が高ければ、患者様のクリニックへの評判にもつながり、ひいてはそれが、クリニックからラボへの信頼へとつながります。いつも以上に、気合をいれて「良いものを作ろう!」と意気込む歯科技工士の方も多くいらっしゃると思います。ですが、単に技工士の技術だけでは、最高のクオリティのものは作れません。

クリニックとラボが連携し「より精度の高い情報」を元に作らないと、いくら経験があり、技術のある歯科技工士であっても、患者様が本当に満足くださる技工物はできないと、私は考えております。これまで、前歯部症例は5000件ほど経験させていただきましたが、例外なく重要になるのは、制作前の写真撮影です。ここにひと工夫を加えるだけで、より高品質な技工物につながります。

注意すべき点は、たったの3つ。

ここを意識し、事前に準備することで、患者様の大きな満足につながると思っております。ぜひ、前歯部症例において、こちらの3つのポイントを意識いただければと思います。

ポイント1:支台歯の情報
支台歯の撮影例

支台歯の撮影例

オールセラミック症例の場合、透過性が高い材料を使用するケースが多いです。そのため、支台歯の色を拾い、そこから狙った色よりも、暗くなることがあります。

そこで重要になるのが、支台歯の正確な情報です。といっても、特に難しいものではなく、支台歯の色がきちんと分かる写真をご用意いただくだけ。この情報は、ベースシェード選択において必要になります。

※クリニックの方が、必要であることを認識されてないケースが多いため、ラボ側から明確に依頼されることをおすすめします

ポイント2:仮歯が入った状態のスマイルラインと顔貌写真

2つ目のポイントは、仮歯が入った状態での患者様の写真を用意すること。

こちらは以外と省略されがちなのですが、完成度の高い技工物を作る上で、とても大切な情報です。この写真があることで、歯科技工士が患者様の腔内にセットされた「将来像」をきちんとイメージしながら製作することができます。

特に前歯症例の場合、

  • 下唇の邪魔にならない
  • バランスのとれた切端の長さ
  • 正中線
  • 咬合平面

などの基準になります。

たとえばこちらのような写真です。

仮歯をいれた状態で、患者様に「ニーっと、歯を見せながらニコッとしてください」とお願いすると、キレイな写真になることが多いです。

ポイント3:隣在歯、対合歯と同一平面で撮影した写真

3つ目は、隣在歯、対合歯と「同一平面」で撮影した写真になります。
前歯1製作の場合、隣在歯の情報だけで十分な場合もありますが、3-3のような場合ですと必ず対合歯のシェードが必要になります。
たとえばこちらのような写真です。

隣在歯、対合歯と同一平面で撮影した写真

3つの中で、こちらが最も注意して撮るべき写真になりますが、ポイントを押さえれば、比較的簡単に用意可能なものでもあります。
下記に悪い例、良い例を挙げておりますので、ぜひ参考にしていただければと思います。

  • 悪い例(ガイドが同一平面でない、ガイドが隠れている、ハレーションを起こしている)

ガイドが同一平面でないと、正しい技工物の作成が難しくなったり、ガイドがハレーションを起こすとどのシェードガイドか分からなかったり、ガイドで隠れて見えないケースもあります。

  • 良い例

上記の3つのポイントを意識いただくだけで、技工物の品質や製作スピードは間違いなく向上します。歯科技工士の方は、クリニックに依頼する際に、ぜひこの3点をお伝えください。

歯科医の方は、ラボに依頼をする時、こちらの3つの写真をぜひご用意ください。この写真があることで、コミュニケーションがスムーズになり、より高品質な技工物に間違いなく、つながると思います。

QLデンタルメーカー株式会社の詳細は、こちらからご覧ください。

【インタビュー1】「モノ作りが好きで、突き詰めて仕事をしたい人には最高の職業」
【インタビュー2】「この業界を少しでも明るいものにしたい」
【インタビュー3】「患者さんの中で生き続ける作品を作る」

関連記事

  1. 大阪 歯の詰め物の無資格製造で書類送検

  2. 日本歯科技工所協会、創立50周年

  3. 歯科技工士校の入学者1,000名割れ

  4. 【先着12名】早稲田CADトレーニングセンター sundayスクール ジルコニア・カラーリング実習コース

  5. 伊藤忠 ZOO LABOと資本業務提携

  6. 【2018年全国版】必見!クレジットカードが使える歯科技工所・ラボ一覧

  7. 歯科診療所における、歯科技工の外注状況

  8. 宮城県、若手歯科技工士の復職を支援

  9. 成田デンタル、技工料金を値上げ

  10. 銀歯値上げ、患者負担1割増

  11. 歯科技工のデジタル化、グローバル展開可能に

  12. DGSHAPE社、歯科3Dプリンタを新発表

Twitterで最新情報を発信中!

Facebookページにもいいね!をお願いします

  1. 熊谷 ちひろ|ケン・デンタリックス|東京都文京区

    2019.08.13

  2. 外山 紗希|QLデンタルメーカー|神奈川

    2018.06.05

  3. 間中 道郎|Dent Craft Studio Mʼs Art

    2017.09.06

  1. 保護中: 関 聖生|京王歯研|群馬県高崎市

    2019.08.19

  2. 熊谷 ちひろ|ケン・デンタリックス|東京都文京区

    2019.08.13

  3. 技工士ドットコム公式Facebookページを開設しました!

    2019.07.19

  4. 技工士ドットコム公式Twitterを開設しました!

    2019.07.19

  5. 平野周太朗|ケン・デンタリックス|東京都文京区

    2019.07.18

  1. 熊谷 ちひろ|ケン・デンタリックス|東京都文京区

    2019.08.13

  2. 外山 紗希|QLデンタルメーカー|神奈川

    2018.06.05

  3. 間中 道郎|Dent Craft Studio Mʼs Art

    2017.09.06

  4. 青嶋 仁|ペルーラAOSHIMA|東京

    2017.09.02