3Shape社 TRIOS Core 特集

2025年3月から日本でも発売となった3Shape社のTRIOS Coreは、TRIOSファミリーにおいて最も低価格のエントリーモデルとして位置づけられています。
この記事では、TRIOS Coreの仕様や特長についてご紹介いたします。

TRIOS Core 概要

2024年6月(日本へは2025年3月)に市場に導入されたTRIOS Coreは、基本的なスキャン機能に重点を置いています。そのため、可能な限り低コストで TRIOS スキャナーを入手したいと考えている歯科医院にとって理想的な選択肢となります。 ハードウェアは実績のあるTRIOS 3をベースにしています。ただし、TRIOS 3とは異なり、Invisalignとの互換性がなく、ソフトウェアアプリがないことには注意が必要です。

TRIOS Core 価格

TRIOS Core は、3Shape の現在のラインナップの中で最も手頃な価格の製品で、価格は 250万円より少し安いレベル(技工士ドットコム調べ)となっています。 TRIOSファミリーの中では一番安く、Medit i600、Aoralscan 2といった多数の「低価格」スキャナーと同等の価格帯の製品となっています。 この競争力のある価格設定は、デジタル印象を初めて利用する歯科医院や、主にスキャンしてラボに送信する作業手順に特化したコストパフォーマンスに高いスキャナーを探している歯科医院にとって魅力的な選択肢となるはずです。

TRIOS Core ハードウェア

TRIOS Coreは有線式モデルとなっており、USB-C 経由で新設計のPod(スタンド)に接続し、その後PCに接続します。新しいPodは前世代より10% 小型化され、また30% 軽量化も図られ携帯性が向上しています。 ただ、本体重量は TRIOS 3と同じ 340グラムです。これは今日の口腔内スキャナー市場では少し重いモデルかもしれません。

このスキャナーは、TRIOS 3 と同じチップを使用しており、最大 150 回までオートクレーブ滅菌可能です。TRIOS Core は、改良された TRIOS 3 のデザインを継承し、スキャナー ボタンも再設計されているため、使いやすさが向上しています。 スキャンが完了後、ラボへのデータ送信はワンクリックでスムーズに行えます。また、クリーニングも簡単になりました。 ただ、スキャナー先端の加熱に関しては、少し長めのウォームアップ時間を必要とします。

また、TRIOS 5のような新しいスキャナーはキャリブレーション不要の設計に移行していますが、TRIOS Coreはカラーキャリブレーションと3Dキャリブレーションの両方が500回のスキャンごと、または8週間ごと(どちらか早い方)に必要です。

TRIOS Core ソフトウェア

10年以上にわたり改良されてきた3Shapeのソフトウェアは他社の追随を許さず、常に市場をリードし、業界標準となった多くの機能をいち早く市場に投入してきました。 3Shapeのソフトウェア開発へのアプローチは常に包括的で、歯のスキャンだけでなく、患者の診察から最終的な修復に至るまでのデジタルワークフロー全体を管理します。 Uniteプラットフォームの開発は、この先進的なアプローチをさらに実証し、デジタル歯科の様々な側面を繋ぐオープンなエコシステムを構築しています。

・ベーススキャンソフトウェア
UIはシンプルで整理され、直感的に操作できます。このソフトウェアは、スキャンソフトウェアとして必要な機能をすべて備えています。リアルなテクスチャ、準備分析、マージンラインツールといった基本機能はすべて綿密に実装されており、信頼性も高いです。

・3Shape Uniteプラットフォーム
3Shape Unite は、スキャンから設計、製造、診療管理まで、デジタル歯科のさまざまな側面を結び付けるハブとして機能します。 このプラットフォームの強みは、広範なパートナーネットワークにあります。Uniteは、クリアアライナープロバイダー、インプラントメーカー、製造センター、ラボからなる広大なエコシステムと連携しています。ケースを地元のラボに送る場合でも、グローバルな製造パートナーと連携する場合でも、このプラットフォームはプロセス全体を効率化します。 このシステムは特に臨床効率に重点を置いているようで、症例はチェアサイドで開始でき、スキャンから処方箋まで、すべての関連情報が単一のインターフェースで管理されます。リアルタイムコラボレーションツールにより、検査室や専門医との即時コミュニケーションも可能になり、クラウドベースのアーキテクチャにより、症例データにどこからでもアクセスできます。

ただし、TRIOS Core には、上位モデルに搭載されている高度な機能の一部が搭載されていないことに注意してください。ワイヤレススキャン、虫歯検出機能、Smile Design や Ortho Simulator などの 3Shape のアプリは使えません。また、シェード マッチングや Invisalign 統合もありません。

TRIOS Core スキャン機能

TRIOS Core は、安定したスキャン パフォーマンスを備えており、撮影は一秒あたり1400枚以上可能です。経験豊富な利用者であれば、フルアーチスキャンを30秒以内に完了できるはずです。またIOSが苦手とする無歯顎のスキャンも問題なく処理できます。
AI処理に関しても、「スキャンアシスト」機能を搭載した最上位モデルのTRIOS 5ほどは洗練されていませんが、アーティファクト除去とスティッチングを効果的に処理します。
もちろん他のTRIOSのモデル同様に、スキャン中に「シェード測定」ができる機能もあります。

まとめ

TRIOS Coreは、実績のあるTRIOSスキャンテクノロジーをベースにした信頼性の高いスキャン性能と、確立されたソフトウェアを備えており、最も経済的にTRIOSスキャナーを購入したい歯科医院に最適です。 ただし、Invisalignとの互換性がなく、ソフトウェアアプリもないので、それらを必要とする方には、TRIOS 3を検討してみることもおすすめします。

口腔内スキャナーを選択する際には、初期コストだけでなく、スキャン速度、ソフトウェアの統合、ワイヤレス機能、虫歯検出などの特定機能の要素も考慮することが重要です。 TRIOSファミリーには、TRIOS 4や5といったよりインテリジェントなモデルも用意されているので、それらともぜひ比較検討してみてください。(2025年3月のIDS2025にて、3Shape社はTRIOS 6も発表済です)


こちらの記事は、institute of Digital Dentistry社の記事をもとに、技工士ドットコムが独自に和訳、加筆等を行ったものとなっております。

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