コラム:「入れ歯難民」 就業歯科技工士 31,733人、 1,209人(3.7%)減少という現実

令和7年7月29日に厚生労働省から発表された「衛生行政報告例の概要」に基づき、本記事では歯科技工士の現状と課題について解説します。

歯科技工士の減少が「入れ歯難民」を加速か、将来の歯科医療に警鐘

最新の調査結果により、日本の歯科医療を支える歯科技工士と歯科技工所の数が、依然として減少傾向にあることが明らかになりました。この状況は、将来の歯科医療提供体制に深刻な影響を及ぼす可能性があります。

歯科技工士と技工所の現状

2024年末時点の就業歯科技工士は 31,733人で、前回(2022年)調査から1,209人(3.7%)減少しました 。 同様に、歯科技工所の数も 20,278か所 へと減少し、2年間で563か所(2.7%)が姿を消したことになります 。

(「衛生行政報告例の概要」より)

担い手の深刻な高齢化

この減少の背景には、担い手の深刻な高齢化問題があります。年齢階級別の構成比を見ると、最も多いのが「65歳以上」で、全体の19.3%を占めています 。一方で、29歳以下の若手は全体の約1割に過ぎず、後継者不足が顕著になっています 。

(「衛生行政報告例の概要」より)

将来への影響と「入れ歯難民」問題

歯科技工士の約4分の3(74.1%)は歯科技工所に勤務しており 、彼らの専門技術は、質の高い補綴物(入れ歯や被せ物など)の製作に不可欠です。このまま担い手の減少と高齢化が進むと、精密な技工物を製作できる技術者が不足し、十分な治療を受けられない人や義歯を手に入れられない、いわゆる「入れ歯難民」問題がさらに加速する恐れがあります。

将来的には、多くの人々が質の高い歯科治療や、自身の口に合った入れ歯をはじめとした補綴物を手に入れること自体が困難になる可能性も否定できません。若手人材の確保・育成と、彼らが長く働き続けられるための環境整備が、日本の歯科医療の未来を守る上で喫緊の課題です。

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