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歯科技工士ってどんな仕事?
まずは、国家資格を取得しよう!
歯科技工士は、歯科医師からの指示を受けて、入れ歯・歯の詰めもの・かぶせ物などを製作する専門職です。歯科技工士になるには、国で決められた養成機関(専門学校や大学)を卒業し、歯科技工士の国家試験に合格しなければなりません。一般的に、歯科技工士の仕事は「低賃金」「長時間労働」だと言われることが多いですが、これまでは手作業で仕事をすることが多かったので仕方ない面もありました。 しかし最近では、3Dプリンターやスキャナーなどのデジタル機器を使って仕事をする機会も多いので、以前ほど過酷な仕事ではなくなったため、女性の歯科技工士の割合が増えているのが現状です。プラモデルや手芸、模型作りなどのように、モノ作りが好きな方には、最適な仕事かもしれません。資格取得後は、どのようなところで働くの?
80%が技工所、20%が歯科医院に勤務
歯科技工士の約8割は、国家試験合格後に歯科技工士が勤務する歯科技工所(=通常、歯科業界ではラボと呼ばれています)で勤務しています。歯科技工所は、全国に約20,000軒あり、大きく3つのカテゴリーに分かれています。①保険の歯科技工物をメインに作っているラボ、②保険の歯科技工物と自費の歯科技工物の両方とも作っているラボ、③自費の歯科技工物のみを専門に作っているラボの3つです。 歯科技工物の単価が安い「保険」の歯科技工物が中心のラボは、現在でも、やや低賃金長時間労働になりやすい傾向にあります。一方で、インプラントやセラミック補綴物などの「自費」の歯科技工物を作っているラボは、一つひとつの歯科技工物の技工料が高いため、高賃金&短時間労働になります。そのため、国家資格の取得後に就職する若手歯科技工士には、自費の技工物を作っている割合の高いラボが、就職先として人気があるのが現状です。 また近年、歯科技工業界にデジタル技工の医療機器が普及するにつれ、デジタル機器で削り出すことができる「CAD/CAM冠」などを取り扱っているラボも長時間労働になりにくいため、就職先として人気が急上昇しています。
歯科技工士って、年収/給料はどのくらい?
保険中心ラボは年代と同じくらい、自費中心ラボは70万超
保険メインのラボと自費メインのラボでは、将来的な月給は大きく異なります。一概には言えませんが一般的には、保険の歯科技工物をメインに作っているラボの場合、卒業後すぐに就職すると月給18万円くらいをもらい、徐々に経験を積み、多くのことができるようになると最終的には月収は40~45万円くらいになります(20代ならば20万円、30代ならば30万円といった感じの昇給イメージです)。 一方で、自費の歯科技工物をメインで作っているラボの場合、就職初期は保険メインのラボと同様に月給18万円くらいから始まりますが、インプラントやセラミックの審美的な歯科技工物などの自費の高額な歯科技工物を作れるようになると、40~50代に月収は60~70万円くらいまで増えます。しかし、自費の歯科技工物は高度なスキルが要求されるので、誰でも作れるようになるわけではないので、簡単な道ではありません。さらに、もし自分で将来、ラボを独立開業をした場合には、月給100万超も十分に可能となります。例えば、「技工士ドットコム」にインタビュー記事が掲載されているラボは、自費技工物のみを専門的に作製している、スキルの高い技工士が在籍している有名ラボばかりです。もしトップレベルのラボで自分の腕を磨いてみたい方や、ステップアップのために転職や就職をご希望の方がいらっしゃいましたら、各ラボに直接求人採用の希望をご連絡ください。
歯科技工士になるにはどうすればいいの?
専門学校などで2年(夜間は3年)通学して国家資格を取得
高校卒業後に全国の歯科技工士教育機関に通学して授業や実習を受け、必要な知識と技能を習得し、所定の単位を修了すれば2年(夜間は3年)で歯科技工士国家試験の受験資格が得られます。 現在、歯科技工士の資格を取得できる歯科技工士教育機関は、全国に約50カ所あります。現在は、定員割れになっている学校も多いので、入学することはさほど難しくはありません。学校の授業では、厚生労働省令で定められた規則に従って歯科技工士になるために必要な講義と実習が行われています。一般的には、2年生の途中までは基礎科目として、歯科技工に関する国の法律や、歯科技工物を作るために必要な美的感覚を養う講義などを受けることになります。また他にも、歯と顎の動きや入れ歯、矯正や子供の歯と大人の歯の関係などの専門的なことについても学びます。 2年生の後半には、国家試験合格後に臨床現場に出て仕事をしたときに必要となる、模型を使った歯科技工実習やCAD/CAMを用いたデジタル技工実習などを学びます。特にデジタル実習の授業は、歯科技工士の仕事が今後、患者さんの歯を完全にハンドメイドで作っていた時代から、パソコンの画面内で設計して3Dプリンタが自動的に作るデジタルの時代に移り変わるので、とても重要な学習となります。
歯科技工士の国家試験は難しいの?
平均合格率は例年、約95%!
歯科技工士の国家試験の合格率は、毎年約950人が受験して約900人が合格しています。合格率は約95%ですので、国家試験の中では難しい試験ではないため、心配しなくても大丈夫です。普通に学校の行き、友達と一緒に授業を受けさえすれば、合格できるレベルです。もちろん、学校によって合格率は若干違いますので、自分が入学を希望する学校の合格実績を確認した方が良いでしょう。このページの最下部に参考として、平成29年の国家試験の合格率を学校別に記載しておきましたので、自分の志望校の合格率を確認してみてください。 また、歯科技工士の仕事の魅力を知りたい方は、下記の、世界で活躍する歯科技工士のインタビューもぜひご覧になってください。これから歯科技工士として、どんな道を歩んでいけるのか。キャリアプランを立てる上で、とても参考になると思います。歯科技工士インタビュー
「歯科技工士業界のレジェンド」
「最高の職業です」注目の女性技工士
「インプラント技工、一級品の技術と歴史」
「e.max世界チャンピオン。一流の哲学」
歯科技工士資格が取得できる専門学校と国家試験合格率
現在、全国には52カ所の歯科技工士の専門学校・大学がありますが、岩手医科大学医療専門学校が2019年4月に、愛歯技工専門学校・滋賀県歯科技工士専門学校・長崎歯科技術専門学校は2018年4月に、新入生の募集を停止することが発表されています。