代表取締役
大畠 一成(おおはた かずなり)
1980年 岐阜県立衛生専門学校歯科技工学科卒業 卒業
1981年 安田病院歯科技工室 室長
1984年 東海歯科医療専門学校歯科技工学科 非常勤講師
1985年 渡独(Dental Studio GmbH Rolf Herrmamに勤務)
1988年 GFAマイスタースクール・デュッセルドルフ 入学
1992年 歯科技工士マイスター資格取得
2000年 Dental labor GROSSを開設
2001年 松風アドバイザー
2017年 シルバーマイスター証書受賞
<その他>
Wieland社公認インストラクター(現職)
Shofu GmbH社 公認インストラクター(現職)
Bredent社 顧問
das dental labor Italia 編集委員
松風アドバイザー(現職)
技工士5年目に、単身ドイツに渡ることを決意!
― 大畠さんは、もともと歯科技工士になりたかったのですか?
いえいえ、ウチは公務員の家庭だったので、経済的に恵まれているとは言えず、国立大学に進学しようと思っていたんです。高校3年生のある時に同級生から、「歯科技工士って、すごい儲かるらしぞ!」という話を耳にしました。ウチは歯科とは全く無縁な家系だったのですが、もともとモノづくりが好きな性格だったこともあり、歯科技工士という職業に興味を持ち、地元の県立の衛生専門学校の歯科技工学科を受験することにしました。
当時の歯科技工士は収入が多くて、比較的人気のある職業だったんです。その県立衛生専門学校は倍率が30倍以上もあり、合格するのがとても難しかったのですが、幸運にも合格することができ、入学することになりました。県立学校だったので、入学金が1,000円、毎月の学費が2,000円とメチャクチャ安くて、「親孝行できてよかったなぁ」、と思ったことを今でもハッキリと覚えています(笑)
― 卒業後は、歯科技工士として順調にキャリアアップされてきたのですか?
いやいや、全然違います(笑)私はもともと福岡の生まれで、岐阜で幼少期を過ごし、歯科技工士になりました。その後、日本で5年くらい働いてからドイツに渡り、1985年から2000年までの約15年間、ドイツのデュッセルドルフで歯科技工士として働きました。
そして帰国後、渋谷のセンター街にラボを開業しました。やはり開業するならば東京のど真ん中で、アクセスの良い場所がいいなぁ、と思いまして(笑)その後、渋谷の松濤の方に良い物件が見つかったので、今の場所に引っ越してきたんです。
― すごい波乱万丈な人生ですね(笑)ドイツ語は、もともと話せた?
いえいえ、まったく話せませんでした。当時、ドイツ語は何一つ話せなかったんだけれども、なんとなく歯科医療の世界最高峰の国の一つであるドイツで歯科技工を学んでみたいなぁ、と思っていたんです。そして、ちょうど25歳の誕生日の日に、一念発起してドイツに渡ることを決意しました。
ドイツに行く直前に、今クラレ・ノリタケデンタル株式会社で最高顧問をしていらっしゃる坂清子先生と一緒に、3ヵ月間くらいドイツ語の家庭教師に習ってみたのですが、結局、ほぼドイツ語は何も分からないままドイツのデュッセルドルフに行くことになってしまいましたね(笑)
ビアホールで、ドイツ語を習得!
― 最初は、不安じゃなかったんですか?
さすがに最初は言葉が分からずに苦労しましたが、幸い5年くらい日本で歯科技工士として働いてからドイツに渡ったので、仕事に必要な、いくつかの単語さえ覚えれば、仕事をする上で大きな問題はありませんでした。そのうちに徐々に、日常会話を覚えていったという感じですね。
今思い返せば、私のドイツ語は、ビアホール仕込み、って言うんでしょうね(笑)毎日のように仕事が終わったらビアホールに通い、一生懸命、身振り手振りで周りの人に話しかけて、少しずつドイツ語を覚えていったような気がします(笑)とはいえ、しっかりと話せるようになるために、3年くらいはかかりましたが。
日本人初の、歯科技工士マイスター資格を取得!
― 大畠さんの肩書に、「ドイツ歯科技工士マイスター」とありますが、この資格は?
この歯科技工士マイスターという資格は日本では私以外誰も持っていない、とても珍しい資格だと思います。とにかくこの資格は、取得するのがとても大変なんです(笑)歯科技工士の仕事をしながら夜間のマイスター・スクールに入学し、約3年半~5年くらい通って、財務や簿記だけでなく、経済学や社会法律学、さらには民法、商法、労働法などの法律学や教育学などを学ぶ必要があります。そして非常に厳しい試験を突破すると、マイスターの称号が与えられます。
マイスター資格とは、職人として働くために必要な国家資格を取得した人の中から、さらに後進の若手を指導することが認められた、ほんの一部の特別な職人に与えられる称号なんです。ちなみにドイツでは、このマイスターの資格がないとラボを開業することができないルールになっています。
少し自慢になってしまうのですが、私の場合、幸運なことに2017年に、長年、ドイツの歯科技工業界に貢献したことが評価され、マイスター取得者の中でも、ほんのわずかな人しか選ばれない「シルバー・マイスター」という称号も頂くことができました。25歳でドイツに渡った時に、将来、このようなことになるとは全く予想もしていませんでしたが、一生懸命、自分なりに努力してきたことが評価され、これまでお世話になった全ての方々に対して感謝の気持ちでいっぱいですね(笑)
ドイツは、日本人技工士が活躍できるチャンス大!
― ドイツに行かれて、最初はどのように過ごされていたのですか?
わざわざドイツに来たので、せっかくならば最高峰のラボに就職したいと思い、ドイツ国内でも5本指に入る有名ラボのうちの1つの門を叩きました。海外で働いた経験のある日本人技工士ならば皆さん分かると思うのですが、やはり日本人って世界的に見て、とても器用なんですよね。だから日本人技工士は、勇気をもって海外に行きさえすれば、すぐに活躍するチャンスがある仕事だと思います。
ドイツだけでなく、ヨーロッパ全体で活躍できる可能性も!
― ドイツでは、最初から仕事を沢山やらせてもらえた? 私の場合は、就職して何も教えなくてもすぐに技工物を作れたことと、就職先が有名ラボだったので、職場のあるデュッセルドルフだけではなくドイツ全土から集まる様々な症例の仕事ができましたし、年に何回もイタリアやフランスなど、ヨーロッパ各地に行って講演をする機会にも恵まれました。よくアメリカやカナダなどの北米に行く日本人技工士はいるのですが、実はドイツも、日本人技工士にとって、とても働きやすい環境なのでオススメだと思います!
― 仕事をする上で、歯科技工士マイスターの資格をもっていると何かいいことがありましたか?
私の場合はマイスター資格を取得して、名門のデュッセルドルフ大学の大学病院を担当させてもらったり、ラボのチーフ・マイスターを務めさせてもらいました。また、先ほどもお話ししたとおり、フランスやイタリアなどで講演する機会もたくさんありましたし、優秀な部下の歯科技工士を40人くらい面倒をみていました。
一般的には、マイスター資格を持っている歯科技工士は、勤務先のラボの指導的な役割を任せられることが多いと思います。また、簿記や経営学を専門的に学んでいるので、ラボの経営などに携わるチャンスも多いと思います。私は最終的には、働いていた名門ラボの副社長になることができました(笑)
”日本への帰国を決意!
― そのままドイツに残ろうとは思わなかった?
ありがたいことに実は、そのラボを継ぐ話も頂いていたのですが、自分の子供の教育環境や、40歳という節目のタイミング、そして、やはり最後は自分の故郷である日本で、自分の得た経験や知識を若い人に教えたいと思いました。そこで2000年の直前に日本に帰国することを決心し、先ほどお話しした通り、渋谷のセンター街で開業することになったのです。
歯科技工士は、「目の良さ」が必要不可欠!
― 歯科技工士に重要なスキルって、何だと思われますか?
私は、「目の良さ」が重要なポイントだと思います。俗にいう「観察力」ってやつです。実際の歯型彫刻を見たときに、重要なポイントを見抜いて、把握する能力はとても重要です。このような観察力が磨かれれば、「あぁ、なるほど。ここがこうなっているから、ここをこうすべきなんだ」といったことが分かってきます。
そのためには、少し厳しい言葉に聞こえるかもしれませんが、土日もないくらい死に物狂いで5年くらい、臨床現場で技工物を作ってみないと、このレベルの「目の良さ」は身につかないと思います。例えば、質の良いメタルボンドが8時間勤務で15本くらい、勝手に手が動いて作れるようになるくらいが一つの目安でしょうか。
そして、次に大切なのが“センス”です。ここで言うセンスとは、作業の手際の良さとかではなく、自分の目で把握した重要なポイントを手元で正しく再現するセンスです。
格好イイ技工物は、一瞬で分かる!
― 歯科技工士のセンスって、どこを見れば分かるんですか?
実はそんなに難しいことではありません。経験豊富な歯科技工士であれば、格好いい技工物って、見たら一瞬で分かるものなんですよ(笑)きちんと勉強や経験を積んでいる技工士ならば、口の中で正しく機能するために必要なポイントが分かっていますし。
これは私の仕事をする上での信念でもあるのですが、“正しく機能する歯科技工物は必ず、審美的に美しくなる”、と思います。つまり、機能性も審美性も兼ね備えているから、格好いい技工物に見えるんです。私は、この機能することと、美しさが共存する技工物を作るのが、歯科技工士の仕事の本質だと思っています。
もし、どこか見た目が不格好だぞ、と感じる技工物は、どこかに機能的な欠陥や障害があると言って構わないと思います。そういう意味では、ウチのラボで働く若い技工士には、正しく噛める機能性と、審美的な美しさ、という2つの観点にこだわった歯科技工物を作ることを徹底的に教えています。
基本的なことを、何度も何度も繰り返す!
― 若者たちにメッセージを。
自分で言うのも何ですが、私のラボは、技工士としてスキルアップするには最高の環境だと思います。若手に教えたいと思ってわざわざドイツから帰ってきたのですから(笑)きっと、こんなにフレンドリーに優しく、若手に手取り足取り教えてくれるラボはあまりないはずですよ(笑)
特に私のラボでは、基本的なことを何度も繰り返すことにより、小手先の技術ではなく、本来歯科技工士が身に着けるべき本質的な技術をキチンと覚えることを奨励しています。おかげさまで現在は、全国の数多くのクリニックから仕事を頂いており、常に人手は足りていないので、もしウチのラボに興味のあるスキルアップしたい技工士さんがいれば、ぜひご連絡頂けると嬉しいです!ヨーロッパには豊富な人脈をもっていますので、もし将来、海外に出て勝負したいと思っている、やる気のある技工士さんもウエルカムです!
ありがとうございました
編集後記/高崎
大畠さんの謙虚な人柄が印象的だった。インタビュー中に大畠さんの口から、技工物を作る上で重要なことは、「シンプルで機能的なことだ」、というフレーズが何度も出てきた。技工物を作製する大畠さんのラボ設備は、ドイツの高級メーカー・Kavo社の特注品で揃えられており、シンプルで機能的で、まさに質実剛健なドイツの香りがするラボだった。
デンタル・ラボア・グロースの基本情報
〒150-0045 東京都渋谷区神泉町16-14 サンフォンテーヌ渋谷 101号室
<沿革>
2000年 Dental labor GROSS設立
デンタル・ラボア・グロースへのアクセス
技工物種類 | 対応可否 |
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保険FMC | - |
自費クラウン/ブリッジ | - |
自費インレー・アンレー | - |
CADCAM冠 | - |
チタン冠 | - |
インプラント(ストローマン) | - |
インプラント(ノーベル) | - |
インプラント(その他) | - |
デンチャー(保険) | - |
デンチャー(自費) | - |
矯正 | - |
マウスピース矯正 | - |
マウスガード | - |
自費TEK | - |
ラミネートべニア | - |
求人項目 | 概要 |
---|---|
募集職種 | 求人情報がありません。 |
給与/賞与 | 求人情報がありません。 |
勤務時間 | 求人情報がありません。 |
勤務地 | 求人情報がありません。 |
休日 | 求人情報がありません。 |
福利厚生 | 求人情報がありません。 |
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