歯科衛生士と技工士ライセンスを5年⇒3年に短縮
大分県別府市亀川中央町に昭和41年4月に設立された「大分県歯科技術専門学校」は、来年度から「歯科衛生士」と「歯科技工士」2つの国家資格を取得することができる『ダブル・ライセンスコース』を新設することを公表した。 大分県歯科技術専門学校にはこれまで、3年制の歯科衛生士科と2年制の歯科技工士科の2つのコースが存在し、両方の資格を取るためには計5年間も専門学校に通う必要があった。来春4月から設置される『ダブル・ライセンスコース』は、歯科衛生士科で学ぶ3年間分と歯科技工士科で学ぶ2年間分がまとめられ、計3年間で2つの国家資格を取得することを可能となった。 先日、大分県歯科技術専門学校が説明会を開催したところ、大分県下を中心に45校約70名の高校教員が集まった。歯科衛生士と歯科技工士の両方のライセンスを持つメリットって何?
①う蝕や咬合力、歯周病が原因で失ってしまった口腔機能の回復を補綴物や義歯の製作から患者様のケアまでWライセンスを持つスタッフが一貫して行うことができる。 ②歯科技工士が一人で患者様の口腔内を見つつ、補綴カウンセリングまでを一人の歯科治療の専門家として関わることができる。 法律の制約上、歯科衛生士は口の中を触ることはできますが、歯科技工士は口腔内を触ることができません。歯科技工士の中には口の中の状態を見て、より口腔内の生体親和性まで考えて仕事をしたいという歯科技工士が少なからずいます。一度入れた技工物は10年〜20年以上とその技工物の役割を果たします。そのために必要なことは「口腔ケア」です。その口腔ケアを行うのは技工物を製作した技工士ではなく、歯科衛生士が行う定期検診や患者様本人の日常の歯磨きになります。 歯科技工士が歯科衛生士と同じように口腔内のケアや⼈間の⽣理現象を深く理解し、永続的にメンテナンスしやすく完成度の⾼い歯科技工物を作ることによって、患者のQOLが高まり、歯科業界全体としてより高次元な歯科治療を提供できることにつながることが期待されます。【原稿執筆】高崎宏之 ●東京都歯科技工士会顧問 ●京都大学 特任准教授 ●アクウェスト(株) 代表取締役 外資系コンサルティングファームで、国内外の製薬、飲料、消費財、総合商社、官公庁、化粧品、産業機械メーカーなどの新規事業の立上げ、事業の海外展開支援、M&A、PMI、中期経営戦略策定、営業改革、グローバル人事組織改革などのコンサルティング業務に従事。同社退職後、国内外の医療業界に徹底的に顧客目線に根差した革新的で高品質な事業/サービスを創出したいとの想いからacwest Inc.を設立。京都大学大学院 理学研究科修了 理学博士。2019年より東京都歯科技工士会顧問を兼務。