代表取締役
小川 露胤寛(おがわ るいかん)
2001年 新東京歯科技工士学校 卒業
海外留学を経て、国内歯科医院・歯科技工所勤務
2010年 株式会社小川製作所設立
人生で一番勉強した2年間
― 歯科技工士という職業はいつ知りました?
高校で進路を考える時に、特にやりたいこともなくて、正直なところ進学すら考えていなかったんです。高校の担任の先生に全国の専門学校が全部載った分厚い本を手渡されて、なにげなく東京のところをバッと開けたら最初に載っていたのが、自分が入学することになる新東京歯科技工士学校だったんです(笑)歯科技工士が何をするかも知らなかったので、先生に「歯科技工士って何する仕事?」って聞いたら「これはお前にぴったりだ!頭使わずに作ってればいいんだから」って(笑)
いざ始めてみたら、頭は使うし勉強はめちゃくちゃ必要だし、先生には見事に騙されましたね(笑)でも、歯科技工士になって本当によかったと思います。いざ専門学校に入学したら、本当に毎日勉強しまくらなければいけなくて、大変でした。いや~、専門学校のときは間違いなく人生で一番勉強した2年間でしたね。
― 卒業後は、どのようなキャリアを選んだのですか?
卒業後は、すぐに働きたくなかったのと、日本のラボは数年は保険の技工しかさせてもらえないという噂を聞いていたので、アメリカに行ってさらに勉強することにしました。昔も今も変わらず、自分のことを知っている人がいない環境に飛び込むのが好きな性格なんです(笑)
アメリカで通ったのはA.I.T.I.という学校で、現地学校の専攻科に入学しました。カリフォルニア州のオレンジカウンティという場所にあって、ロサンゼルスの近くです。「日本だと薬事の関係で使えないような最先端の技工を学びましょう」というのが謳い文句でした。いや~、当時は、向こうに行けば帰国してすぐに自費の技工ができるかもなと思っていたんですけどねぇ・・・。
日本でのスタートはボロクソ
― 期待通り、帰国後は自費の技工物をやらせてもらえたんですか?
いいえ(笑)帰国してすぐに東京近郊にある院内ラボに就職しましたが、期待は見事に裏切られましたね(笑)自費どころか、最初はもうボロクソでした。何を作ってもうまくいかないんです。学校で学んだことと実際の仕事としてやる臨床は全然違いました。しかも仕事仲間は、誰も何も教えてくれなくて。
昔ながらの技工士気質なのかもしれないのですが、みんな自分の知識や技術を隠したがる雰囲気でした。自分は一人で右往左往しっぱなしで、どうしていいのかもわからず、最初の1年間はただただ怒られてばっかりでした。でも、自分は褒められるよりも怒られる方が燃えるタイプで、一通りのことが出来るまで歯を食いしばってがんばって、そのラボでは5年半ほど勤務しました。
― まだまだ続いた、どん底生活・・・。
その後、いつか自分が独立開業するときのために、ラボでの仕事の仕方を知っておかなければいけないと思い、さらに別のラボに転職したのですが、そこはもっと地獄のような生活でしたね(笑)とにかく仕事の量が多かったので、毎日朝5時か6時には作業を始めて夜は明け方の3時4時まで仕事をし、仕方なく机の上で仮眠をとるという信じられないような生活でした・・・(笑)
休みは3か月の間に2日しかありませんでした。もちろん脱走した人もいましたし、自分も半年ほどで退職しました。でも膨大な作業をひたすらこなすという経験ができて、手を動かすことがかなり早くなったから、この半年は無駄ではなかったと思いますね。その後に2年ほど、さらに別の都内の院内ラボに勤めたあと、茨城県で独立開業して、1年ほど前に都内に移転してきました。
患者さんの本音を引き出すのが得意
― 都内に移転したきっかけは何だったんですか?
人材の採用のしやすさが一番の理由ですね。やはり都内は人材が多いですから。最近は、技工士になる人が少なくて、なかなか採用できないんです。あとは、茨城にいた時は基本的に宅急便での対応になるし、いざ医院に呼ばれた際の移動に時間がかかり過ぎるという欠点もありました。基本的に、自分はドクターに呼ばれたら断りませんし、むしろ積極的に立ち会いたい方なんです。模型を見るよりも、直接、患者さんの口腔内を見た方が情報がたくさん取れますから。
あとは、特に女性の患者さんの場合は、「本当はこうして欲しいのに先生には言えない」、でも「先生じゃなくて、技工士ならば言える」というケースが結構あるんですよね。もちろん、その患者さんの希望に添えるときと添えないときはあるのですが、そういった患者さんの本音を引き出すことが自分は得意ですし、患者さんの満足を得るには、重要なことだと思うんですよ。
患者さんに自費を積極的に勧めることが苦手なドクターには、患者さんが自費治療を望んでいる場合、ドクターの代わりに自費の技工物の良さを具体的に伝えてあげて、自費を選択してもらうこともよくあります。
さらに、立ち会う予定でなかった他の患者さんについても、「ついでに一緒に見てもらってもいい?」というようにドクターから声をかけて頂いたりするので、ドクターが仕事をしやすいように患者さんとコミュニケーションをとることにすごく信頼してもらっている実感はあります。おかげさまで、都内にきてからまだ1年くらいなのですが、声をかけてもらうドクターの数が徐々に増えてきています。
自由な雰囲気のラボにしたい
― 今後、ラボをどのようにしていきたいですか?
いつでも、どのマテリアルでも、対応できるようにしたいと考えています。実際は、セラミックだけでは対応できないケースもたくさんありますし、新しいものが出てきたら情報をどんどん取り入れて、その分野の先駆者になりたいと思っています。例えば、3Dプリンターは、まだまだこれからの技術ですが、まさに新しい分野だと思っています。常に新しい情報を取り入れていかないと置いていかれてしまいますから。なので、歯科技工士向けの勉強会だけではなく、歯科医師向けの勉強会にも積極的に参加しています。
― ラボの雰囲気がとてもオープンですね!
あっ、本当ですか?そんなこと言われると嬉しいですね(笑)自分が独立を決めたとき、ラボは自由な雰囲気にしたいなぁと思っていたんです。実際、ウチのラボでは、仕事を早く終われる日は、午後2時とか3時に帰るスタッフもいますし。ちなみに、自由な雰囲気って、今の若い技工士にはウケるんですかね?どう思います?(笑)せっかく、人材採用に有利だと思って都内に移転してきたので、近々、スタッフを増やしたいと思っているんですよ。
― どのような技工士に興味を持って欲しいですか?
もちろん誰でもいいというわけではなくて、自分のアタマで考えられる人がいいです。もちろん分からないことはどんどん聞いてもらって構わないけど、まずは自分で考えたり調べたりできる人にウチのラボに興味を持ってもらえたら嬉しいです。たぶん、そういう技工士じゃないと、この先、この業界で生き残っていけないと思うんですよね。
今後ますますデジタル化が進み、技工士に求められるレベルがどんどん上がっていくと思います。人の手がやる部分といったら、そういうデジタル機械じゃできない「職人技」みたいな仕事ですからね。自分は、そういう職人的な技術がなければ技工士として必要とされない、という緊張感をもって普段、仕事をしています。
デジタル化時代に向け、思い切ったチャレンジをしたい
― 3Dプリンターなど、今後、どのように取り組んでいきますか?
デジタル化の影響で、あと5年もすれば、ラボの淘汰が始まる可能性があると思っています。デジタル化の時代を生き抜くために何をすべきか、という課題は常に頭の中にあります。保険の技工物をメインにやっているラボで、既に廃業したところも何軒かありますし、これで保険のCAD冠が普及した時にはいったいどうなってしまうのかと不安もありますが、おそらく将来的には、ほぼすべてが3Dプリンタに置き換わって、前歯の、それもごく一部の技工が残るだけでしょう。それまでに思い切って、今とは全く別のスタイルの3Dプリンタに特化したラボなんかを立ち上げられたら理想的ですね。
編集後記/高崎
第一印象はヤンチャな雰囲気だが、話してみるとむしろ、ド真剣に歯科技工に向き合っている職人気質の技工士。若い頃、技工士としてドン底の経験をしてきたからこそ、歯科技工士という仕事に対して真正面から向き合う「強さ」や「信念」のようなものを感じた。とても冷静に今後の歯科技工業界を見据えており、デジタル化時代に向け、新しいチャレンジをしなければいけないという強い意志を感じた。
株式会社小川製作所の基本情報
〒110-0016
東京都台東区台東3-40-10 大畑ビル3/5階
<沿革>
2010年 株式会社小川製作所設立
株式会社小川製作所へのアクセス
※症例写真は後日追加予定
技工物種類 | 対応可否 |
---|---|
保険FMC | - |
自費クラウン/ブリッジ | ◯ |
自費インレー・アンレー | ◯ |
CADCAM冠 | ◯ |
チタン冠 | - |
インプラント(ストローマン) | ◯ |
インプラント(ノーベル) | ◯ |
インプラント(その他) | ◯ |
デンチャー(保険) | - |
デンチャー(自費) | - |
矯正 | - |
マウスピース矯正 | - |
マウスガード | - |
自費TEK | - |
ラミネートべニア | - |
求人項目 | 概要 |
---|---|
募集職種 | 求人情報がありません。 |
給与/賞与 | 求人情報がありません。 |
勤務時間 | 求人情報がありません。 |
勤務地 | 求人情報がありません。 |
休日 | 求人情報がありません。 |
福利厚生 | 求人情報がありません。 |
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