真剣勝負ができる仕事
間中さんにとって、歯科技工士とはどのような仕事ですか? ― うーん、一言で表現するのは難しいけど、「自分の能力を出し惜しみせずに全力で取り組める仕事」とか「常に自分と向き合い、真剣勝負ができる仕事」といった感じですかねぇ。自分の場合は、サラリーマンを辞めて歯科技工士になったので、歯科技工士という仕事に対するその辺の想いは、他の技工士よりも強いかもしれません。
この道に迷いなし
サラリーマンからの転職に迷いはなかったんですか? ― うん、迷いは全くなかったですね。大学で就職活動をするときに、時間を忘れるくらい集中して没頭できる仕事をしたいなと思っていて。それはモノづくりに関わる仕事かな、と思っていたんだけど、いまさら専門学校に行くと学費もかかってしまうし、結局、営業職のサラリーマンになったんですよね。当時は若くて勢いもあったから結果もついてくるし、営業の仕事は面白かったです。でも出世にあまり興味がなかったから、5年くらいすると「このまま続けても今の状況がずっと続くだけなんだろうなぁ…」とか目標が見い出せずにモヤモヤしちゃうときがあって。そんな時「よし、歯科技工士になろう!」と一念発起したんです。
ご家族はどんな反応でした? ― 結婚するときに嫁さんに「もしかしたら、いつか会社を辞めて、転職する可能性があるかもしれないよ」とは伝えてあったので、驚きはなかったみたいです。でも内心、不安を感じていたかもしれませんね(笑)とにかく学校を卒業するまでの3年間は思っていた以上に大変でしたね。昼間にアルバイトをしながら夜間コースに通っていたので、アルバイトじゃ稼げるお金も限られてるし、サラリーマン時代の貯金を切り崩して生活していました。
実際に学校に行ってみてどうでした? ― どうもこうもないですよ(笑)もう、ひたすら毎日必死(笑)専門学校の同級生には若い子たちが多かったけど、自分には家族もいたから、置かれている状況も覚悟も違っていたし。とにかく、この道に進むことに対する迷いがなかったですね。歯科技工士になることに腹が座っていたと思います。嫁さんに迷惑をかけているという気持ちもあったし。