東北大学は、DHAが破骨細胞形成と骨吸収を抑制することを発見。これにより、歯周病による骨吸収抑制と矯正学的歯の移動の制御に期待がかかる。
【本学研究者情報】
大学院歯学研究科 准教授 北浦英樹
【発表のポイント】
・ドコサヘキサエン酸(DHA)が、炎症性サイトカイン*1TNF-α*2で誘導される破骨細胞形成および骨吸収を抑制することを明らかにした。
・DHAの破骨細胞形成抑制作用は、GPR120*3を介して起こることをGPR120遺伝子欠損マウスを使用して見出した。
・DHAはTNF-αによる骨芽細胞のRANKL*4の発現を抑制することがわかった。
・DHAは矯正学的歯の移動時の破骨細胞を抑制し、歯の移動が制御できることを見出した。
【概要】
DHAは、免疫の調整、血中中性脂肪の減少など、ヒトの健康に様々な好影響を与えるオメガ3脂肪酸です。TNF-αは炎症時に増加する炎症性サイトカインとして知られ、歯周病などの炎症性疾患等で破骨細胞を誘導し、病的骨吸収を誘導することが報告されています。
東北大学大学院歯学研究科顎口腔矯正学分野 Jinghan Ma大学院生、北浦英樹准教授および溝口到教授の研究グループは、TNF-αで誘導される破骨細胞形成および骨吸収をDHAが抑制することを明らかにしました。また、GPR120遺伝子欠損マウスを使用した実験により、この破骨細胞形成抑制作用は、DHAがGPR120を介してTNF-αによる骨芽細胞RANKLの発現を抑制することによることがわかりました。さらにDHAは、GPR120を介して矯正学的歯の移動時に破骨細胞を抑制し、歯の移動が制御できることも見出しました。本研究成果は、DHAによる病的な骨吸収の抑制および矯正学的歯の移動のコントロールに役立てられることが期待できます。
この研究成果は、2023年1月18日(日本時間)にFrontiers in Immunologyに掲載されました。
さらに詳しい情報は、こちらをご参照ください。
引用元:東北大学
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