この記事は3分で閲覧可能。目次はコチラ!
歯周病が、お肌の調子やニキビに影響を与える可能性
素敵な笑顔は、周りの人たちに良い影響を与えるチカラがあります。そして、その素敵な笑顔にとって欠かすことができないものは、白くて美しい歯です。健康的で美しい歯を維持している人の多くは自信に満ち溢れ、仕事やプライベートにも良い影響を与えています。皆さんも満面の笑顔で写真に写るとき、白い歯で写りたいと思ったことが1度でもあるのではないでしょうか?
反対に、歯に自信がなく、笑顔もぎこちなくなり、人前に出ることに臆病になることもあるでしょう。もし日頃から歯の健診・クリーニングを受けていないと虫歯や歯周病が進行してしまい、歯の痛みなどで笑うどころではないという方もいらっしゃるかもしれません。
現代の科学技術は、驚くべき進歩を遂げてきたにも関わらず、いまだに虫歯は世界中の多くの人が悩まされている疾患であることに違いありません。
また約6,400万人の欧米人が歯周病の状態になっており、その歯周病が歯以外の健康問題にまで発展している可能性すらあります。ちなみにこの6,400万という人数は、30代以上の欧米人口の約半分に当たります。
そのくらい歯周病はとても深刻な疾患として人類に広がっているにもかかわらず、自分自身では歯周病だと判断することは実はとても難しいのです。さらには、意外なことに、歯周病はお肌やニキビに影響を与え、髪や爪などにも強い相関関係があることが分かっています。
今回は、歯(歯周病)の疾患との全身の病気との関連性について少しお話ししたいと思います。 (※日本では、歯周病の治療を受けている患者数は約400万人と言われています。厚生労働省患者調査の概況より)
歯周病とお肌のニキビとの関連性
一方で、上記のような難病ではなく、ちょっとしたお肌のトラブルでも、歯が原因で生じている可能性があります。米国の12歳から24歳のうち約85%の人が深刻なニキビに悩まされているといわれていますが、その深刻なニキビは歯肉炎が原因となっている可能性があります。「肌のお手入れをしているのになかなかニキビが改善されない」「深刻なニキビのせいで人前に出ることがとても苦手だ」と悩んでいる方で、実は深刻な歯周病に悩まされているという方は、しっかりと歯周病を改善してあげることによってニキビの悩みから抜け出せるかもしれません。
お肌のトラブルの際、皮膚科医に行く患者さんは多くいらっしゃると思いますが、なかなか肌のトラブルが改善されない場合、一度、歯科医院にご相談に行かれても良いかもしれません。
お肌の発疹に、歯の疾患が関わっている?
さらに、皮膚の発疹でも歯周病と関係があることをご存知でしょうか?近年の研究では、急な皮膚の発疹と歯周病には相関関係があるという研究結果がでています。長年、皮膚の発疹を和らげるためにステロイド剤を投与されてきたオリーブ・ブラマンさんは、ある時に発作を起こしてしまいます。そんな時彼女は、ある歯科医師に出会い、歯肉の炎症が潜在的な危険性を持っている可能性があることを知りました。歯周病の疑いがある場合に注意すべき兆候として、口臭や歯の欠損や歯肉痛による腫れがあります。その結果、歯周病の症状を改善することが、彼女の皮膚発疹の改善にもつなげることができました。
歯周病と髪・爪との関連性
歯周病の原因菌は非常に毒性の強い菌なので人体に著しく悪影響を及ぼすことが知られていますが、意外と知られないことの一つに、足の爪への影響が挙げられます。歯、髪、爪または皮膚によく見られる症候群として外胚葉異形成症(先天的に毛髪、歯、爪、汗腺などの外胚葉組織に形成異常を認める疾患の総称)という難病があり、頭皮や髪の毛に何かしらの問題が生じたり、足の爪が伸びにくくなってしまう症状が特徴です。
この外胚葉異形成症であることの最も大きな判断基準の一つは、歯だといわれています。この病気の特徴として歯の欠損を伴うからです。もし小さいなお子さんが歯の欠損を伴っている特徴がみられる場合は、念のため外胚葉異形成症の可能性を疑い、最寄りの専門病院で精密検査を受けてあげてください。