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技工士が製作する技工物は、患者様の治療スケジュールに合わせてあらかじめ納期が決まっているものがほどんど。
そのため、多数の発注が重なった場合、時間外労働が続くことも少なくありません。
しかし、近年では業界全体での「働き方改革」も進行。その勤務形態も、少しずつ変化を見せ始めています。
歯科医院に合わせたスケジュール
歯科技工士の役目は、歯科医院からの依頼物を納期通りに製作し、きちんと納品すること。技工所の方でも基本納期は設定しているため、その通りに仕事を進めるのが大前提です。
ですが、多くの依頼が集中したり、急ぎの依頼が入った場合は、どうしても長時間労働が発生してしまう傾向があります。
休日について
基本的に、休日はしっかりと設けられています。しかし、納期が迫っている時や、スケジュールが立て込んでいる時などは、止むを得ず休日出勤なども発生します。これは、どの職種においても起こり得ることです。
また、独立開業をされて自分の会社を持っていたり、自宅で技工室を営んでいる場合は、ある程度自由なスケジュール調整も可能でしょう。
「週休2日」などの定義に沿わず、連続して仕事を行い、その分他の平日を連休に充てたりなど、柔軟な働き方をしている技工士も存在します。
歯科技工士の平均労働時間
歯科技工士の平均労働時間は、平成30年度で月間約173時間、残業は10時間程度。一方、平成25年度の調査では、月間約178時間、残業は19時間でした。共に、勤続年数が10年ほどの歯科技工士で比較した数字ですが、勤務状況においてこの5年で若干の改善が見られます。
これには、業界全体で認識され始めた「働き方改革」の意識化も、少なからず関係しているでしょう。
(出典:厚生労働省の賃金構造基本統計調査、平成25年度、30年度) 働き方改革については、「働き方改革」における歯科技工士業界の取り組みをご参照ください。
歯科技工士はニーズが高く、就職難になる心配がない
高齢化社会に突入しつつある今、インプラントや入れ歯、差し歯などの受注も年々増加しています。今後はさらに需要も高まっていくため、巧みな技術を持つ歯科技工士は、社会や時代から求められる職業となるでしょう。ニーズが高まるということは、仕事に困るどころか、これからも多くの仕事が得られる。そんな圧倒的な強みを持つのが歯科技工士です。
デジタル機器の普及もありますが、技工物の全てはオーダーメイド。製作の工程全てを機械的に行えるものではありませんし、細部において、人の手を完全に離れる職業ではありません。
そのため、将来的に「仕事がなくなる」という心配もなく、年を重ねても自分の技術で安定した収入を得ることができる。それが歯科技工士です。
とは言え、お伝えしたような高齢化社会への突入や、補綴物の需要の高まりもあり、歯科技工士は常に慢性的な人手不足。特に20代、30代の若手技工士の数は不足していて、多くの人材が求められています。
働き方改革により就業形態への改善も年々見られ、就職難になることもほぼない、と言われている歯科技工士。業界の未来を担う、若き技工士たちに期待が高まります。