第11章. いよいよスタッフの採用面接がスタート

スタッフの採用面接を始めよう!

さて、ここからはいよいよ「採用面接」のスタートです。医院開業にあたり、初期メンバーの選定は特に大切。ここでメンバーの選考を誤ると、総入れ替えせざるを得ないケースも発生するため、「採用すべき人物像」を慎重に見極めましょう。

事前に準備・確認すべきポイント

その1:給料の相場を調査しよう

求人を募る前に、まずは近隣の歯科医院の平均給与や相場を、調べておきましょう。GUPPYなどを使って検索をするのがおすすめです。またポイントとして、競合の歯科医院よりも高めのお給料を設定し、募集を行いましょう。

その2:面接の日取りは早めに!

いざ、募集をスタートしたら、常勤、非常勤問わず、歯科衛生士は平均して、3人から8人ほど、歯科助手は10人から、多い時は30人ほどの応募が来る可能性があります。歯科助手は資格がいらないため、幅広い層からの応募があります。   応募が来たタイミングですぐに連絡を行い、面接日は早めに固めていきましょう。レスポンスが遅いと、競合に良い人材を奪われてしまう可能性があるからです。

その3:面接は最低2回以上!

面接は、最初にある程度の選考を行うためのスクリーニング面接と、最終決定を行う面接、最低でも2回は行いましょう。   前述した通り、医院の顔となる初期メンバーはとにかく重要です。精査や吟味を重ねていないと、初期メンバーを総入れ替えとなるようなケースも少なくありません。慎重にスクリーニングを行いましょう。

その4:複数人での面接のススメ

面接の際は一人ではなく、必ず複数人で行うことが大切。人材の採用は、定量的に判断できない部分も多く、複数人で精査すること重要となります。「この人で本当に良いのかな?」と一緒に相談できる相手がいるだけで、より精度の高い選定が可能となるでしょう。   採用の経験がある人や、経営に詳しい方、あなたが信頼をおける人と一緒に行うのがベターです。面接の日取りを決めるにも、あらかじめ同席者のスケジュールも確認しておきましょう。

その5:日取りと面接場所

面接は、あらかじめ候補日を何日分か決めておき、そこに予定を入れ込んでいきましょう。合計4〜5日ほどあれば、スムーズに最初の面接スケジュールが立てられるはずです。ダラダラと長期間の面接にしてしまうと、合否までに時間もかかるため、せっかくの応募者が辞退してしまう恐れがあります。スクリーニング面接から最終決定の面接まで、目安は2週間ほどです。   面接当日は、顔写真付きの履歴書を持参してもらうことを忘れずに伝えてください。 また院内が工事中などで、面接場所としてクリニックが使えない場合は、最寄りの喫茶店やカフェを面接場所として指定するのが良いでしょう。ここまできたら、あとは面接当日を待つばかりです。

その6:面接当日

当日は、前触れもなく面接に来ない人、連絡もなくドタキャンをする人が、当たり前のように存在します。特に歯科助手は複数のクリニックに掛け持ちで申し込みをしている人も多く、他で先に採用が決まってしまった場合、連絡なしでキャンセルされることも多々あります。 貴重な時間に空きが出てしまうのは勿体ないですが、あまり気にせず「よくあることだ」という心構えで、次の面接者に備えましょう。

面接がスタートしたら・・・

いざ面接がスタートしたら、まずは和やかに一言、二言会話をし、その後はすぐに履歴書を確認しましょう。履歴書を見れば、採用すべきでないかは、ある程度見えてきます。ただ「採用すべきか」は会話をしないと分からないため、注意してください。

面接でチェックすべき9つのポイント

ポイント1:人当たりやイメージ

優しい雰囲気や、物腰の柔らかい喋り方など、潜在的なホスピタリティがあるかどうかをチェックしましょう。当然ですが、清潔感があるかというのも重要なポイントです。

ポイント2:過去の職歴の期間

前職や、過去の職歴の勤務期間を確認しましょう。これといった理由もなく、あまりにも短い期間でコロコロと職場を変えている人には要注意。持続性や耐久力がなく、ちょっとしたことで仕事を辞めてしまう可能性があります。

ポイント3:履歴書から受ける印象

きちんと丁寧に、心を込めて文字を書いているかどうか。字の綺麗さや文字数、また、きちんとホームページや募集要項に沿った内容になっているかどうかも、必ず確認しましょう。

ポイント4:既婚、未婚の確認や、家族構成など

履歴書に既婚、未婚のチェック欄があるため、確認をしましょう。出産、子育てなどのライフイベントによって働き方が変化する可能性もあるため、失礼のない範囲で、お子さんの有無や年齢、旦那さんの職業なども聞けるとベターです。 これらは、「緊急で休まなければならないことが頻繁に発生するか」「もしもの時に急に仕事を頼めるか」という部分に関わってくるので、非常に重要と言える部分です。

ポイント5:前職について

前職について、どんな職場だったのか、なぜ退職したのかを聞いてみましょう。可能であれば、「こういうトラブルってありますもんね」など、わざとマイナスな方向へ話を向けてみましょう。それに同調し、ネガティブなことや自己中心的な発言をしたり、感情的になる人には注意が必要です。   また、前職が他業界の職種だった方には、なぜそちらの業界で働いていたのか。働いてみてどうだったか。なぜ今回は、歯科業界を希望されているのか。前職で得たものは活かせそうか、などを聞いてみましょう。「前職の良いところ、悪いところを1つずつ上げてみていただけませんか?」などの質問も有効的です。

ポイント6:長期勤務か、短期勤務かの確認

ずっと長期的に働きたいのか、それとも「結婚が決まるまで」など、短期、中期的な希望なのか。凡その目安で良いので、何年くらいの勤務を希望されているかを尋ねましょう。

ポイント7:責任感や協調性のチェック

仕事においては、チームプレイが非常に重要になって来ます。そのため、中高時代の部活動や、アルバイトの経験などを聞いてみましょう。当時の苦労話、大変だった話、その中でどう振る舞って来たのか。本人の責任感や協調性を確認できる部分となります。 特に「自分がやるしかなかったので」などと言ってくれる人は、あなたの医院でも貴重な戦力となってくれるでしょう。

ポイント8:他の医院にも応募をしているか

あなたの医院の他にも、別の歯科医院に応募をしているかの確認も忘れずに聞いてください。すでに別の面接を受けている方には、そこの面接はどうだったかも聞いてみましょう。   面接者が良い人材の場合、他の医院よりも先に押さえなければなりません。「採用したい」と直感的に感じた場合は、現在の活動状況を把握した上で、早めに内定を出すように動きましょう。

ポイント9:勤務可能なスケジュールの確認

勤務できる曜日や時間帯なども細かく確認しておきましょう。営業がスタートしてから「この曜日はいつも患者様が少ないから、別の曜日と休診日を変更しよう」など、あとから休診日が変わるケースも実際にあります。そのため、月曜から日曜まで、出られる曜日はあらかじめしっかりと確認しておくのがベストです。

採用について

採用人数の目安

初期メンバーとしての採用人数なら、
・歯科助手2人、衛生士1人 ・歯科助手1人、衛生士2人
など、常勤前提で3名程度の採用が良いでしょう。(衛生士が少ないと保険点数が取れないため、注意が必要です。)  採用に関しては、勤務条件よりも、人柄やスキルを重視した方が良いため、   積極的に採用したいと思わない人材の「常勤希望」 < 良い人材の「パート希望」   迷わず後者の良い人材の「パート希望」採用が望ましいでしょう。 大企業と違い、開業したての小さなクリニックはちょっとしたことで破綻に繋がることもあるため、まずは少数精鋭のスタイルを意識しましょう。

一次面接の合否連絡

面接者への合否連絡は、基本的には面接した日のうちに連絡するようにしましょう。特に、不採用の人には早めに連絡をしてあげることが大切です。この時に、不採用の連絡は「申し訳ありません」で終わらせるのではなく「残念なのですが、また人が足りなくなったときに、ご連絡させていただくこともあるかもしれません。その際はよろしくお願いいたします」など、面接のご縁があったことに感謝をするメッセージを伝えると良いでしょう。   また、面接通過者には、予定している面接日の最終日以降で来てもらう旨を連絡しましょう。面接の時点で「この人は絶対に取りたい!」と思った方がいた場合は、面接をしながら採用を決めてしまうケースも十分にあります。直感的に良いと思った人材は、とにかく早めに押さえてしまうことが重要です。

実際にシフトを組み、バランスを図る

面接を通過した人の中から、衛生士は誰を取るのか。次に、歯科助手は誰を取るのか。実際にシフトを組みながら、各曜日、常に3人勤務している状況を想定し、作ってみましょう。時間帯や土日なども考慮して、患者様が集中する曜日や時間は4人体制にするなど、バランスを考えることも大切です。   ここでポイントなのが、「常勤と非常勤を組み合わせてチームを組む」ということ。常勤だけのシフトや、非常勤だけのシフトにすると、それぞれデメリットが生まれてしまうからです。   特に常勤だけのチームを作ってシフトを組むと、急遽休みが発生した時にサポートメンバーがいない、埋め合わせができない、などのトラブルが発生します。特に、休み関係の調整は他のスタッフのストレスが溜まりやすい部分なので、常勤、非常勤はバランス良く分散させて組めるようにしましょう。

スタッフに長く勤務してもらう職場環境

どんなに苦労して厳選して採用したスタッフも、1年後には半分以上が残っていないというクリニックも少なくありません。 しかし、1年後もそっくりそのままスタッフが残っているクリニックも当然あります。その違いは、責任感があるメンバーで固められている、という所に大きく起因します。スタッフが長く在籍しているクリニックは、在籍スタッフ一人一人が精神的に成熟しているケースが高く、年齢の要素も関係すると言えます。 また、院長よりも年齢が上の人材を採るのは極力避けた方が良いでしょう。年上ということで図に乗る人も一定数いますので、採用の際にはしっかり見極めることが大切です。   また、無意識でも「私は出来ますオーラ」を出している人は、図らずとも周囲との軋みを生む可能性があります。指示する立場ではない人が、あまりにも強く「私なら出来ますから、任せてください」という主張をしてしまうと、指示系統とヒエラルキーが崩壊する恐れがあるからです。 どんなにスキルが高い人材でも、我が強すぎる人が一人いるだけで、チームバランスはあっという間に崩れてしまうため、慎重に精査し、採用することが大切です。

正式採用の連絡

最終選考を潜り抜け、見事採用が決定した方には、すぐに電話で連絡をしましょう。 良い人材ほど、どこの医院も欲しがるため、中にはすでに他医院に決まってしまった方もいると思います。その場合は過剰に落胆せず、一度面接した人の中から前向きに選考し直しましょう。   採用連絡では、次にクリニックに来てもらう曜日や時間を伝えます。当日の持ち物や、初出勤日がいつかなどもお伝えしましょう。目安として、最初の出勤日は内覧会の1週間前を基準にお考えください。

正式採用に置いて、準備が必要なもの

以下の3つを早急に用意しましょう。
・内定受諾書 ・雇用契約書 ・雇入通知書(労働条件通知書)
これらにサインをしてもらうと、法的な拘束力はありませんが、「他に決めました」という後出しジャンケンのようなトラブルを回避しやすくなります。   採用連絡の際に、返信用封筒を同封してこの3つをセットで送ることをお伝えし、サイン後に返送してもらう形を取るのがスムーズです。就業規則などの作成は、後からでも問題ありません。

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