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はじめに
歯科医院の新規開業は、大きな夢と同時に多くの準備が必要です。どんなに万全だと思っていても、実際の開業準備の中では見落としやすい項目がいくつかあります。「気づいたときには手遅れ」という事態を避けるため、今回は特に見落としやすい5つのポイントを解説します。ぜひ開業準備のチェックリストとして活用してください。
その1:診察券の準備
診察券は患者さんにとって、歯科医院との最初の接点の1つです。種類には、従来の紙製やプラスチック製、最近ではスマートフォンアプリで管理できるデジタル診察券などがあります。コストを抑えたい場合は、CIメディカルなどのリーズナブルな業者を利用するのがおすすめです。診察券のデザインや素材は医院のブランディングにも影響するため、慎重に選びましょう。
その2:防火責任者の管理者講習
消防法に基づき、歯科医院では防火管理者を選任する必要があります。防火責任者となるためには、最寄りの消防署で行われる講習(1日、約3時間程度)を受講する必要があります。開業申請書類にも防火責任者の記載欄があるため、早めに受講を済ませましょう。手続きや申請は、ディーラーに相談するとスムーズに進められます。
その3:レントゲンの漏洩チェック
レントゲン室のX線漏洩は、患者さんやスタッフの健康に直結する重要な問題です。保健所の指導のもと、6ヶ月ごとに専門業者による漏洩チェックを行う必要があります。初回の設置確認時に約30万円の費用がかかることを見越しておきましょう。安全基準を満たしていない場合、診療開始が遅れるリスクもあるため、事前準備は念入りに行ってください。
その4:内装設計のチェック
待合室と診療スペースの間に扉がないと保健所の審査に通らないケースがあるなど、内装設計には注意が必要です。設計段階から保健所の基準に沿った仕様になっているかをがならず確認しましょう。施工後も入念なチェックを行い、立入検査時に慌てることがないように準備することが大切です。
また、内装は患者さんの歯科医院に対する第一印象に大きく影響します。動線や快適性に、こだわって設計することをオススメします。 内装については「第9章 内装工事中に確認すべきポイント」をご参照ください。
その5:開業の行政手続き
行政手続きのスケジュールを把握していないと、開業予定が遅れる大きな原因になります。特に注意すべき手続きは以下の2つです。開設届
内装工事完了後、速やかに保健所に提出が必要です。開院後10日以内の提出義務があるため、事前に必要書類を準備しておきましょう。保険医療機関指定申請
保険診療を行うには、厚生局への申請が必須です。月に1回しか受付がないため、事前に提出期限を確認し、計画的に準備を進めてください。 これらの手続きが遅れると、診療開始日に影響を及ぼすため、余裕を持ったスケジュールで進めることが重要です。まとめ
歯科医院の開業は、細かい準備の積み重ねが成功のカギとなります。特に今回紹介した5つのポイントは、見落とすと大きなリスクにつながります。開業準備を進める際には、信頼できるパートナーや専門業者に相談しながら、確実に進めていきましょう。開業までのプロセスを楽しみながら、素晴らしい歯科医院を作り上げてください。