歯科技工のデジタル化、グローバル展開可能に
義歯設計のシケン(徳島県小松島市)は、フィリピンのセブ島に歯科技工物のデザインを行う子会社を設立し、本格的に歯科技工事業の海外展開を狙う。現在は、米国から送られた患者の口腔内データから義歯のデザイン業務を請け負っている。今後はデザイン拠点を増やすことを計画しており、所得水準が高くなるにつれて市場拡大が見込まれる新興国の市場を狙う。
これまで義歯は、石膏で作られた模型を元にデザイン・作製されていたため、事業展開できる国・地域に制約があった。しかし、近年の歯科技工の世界に訪れたデジタル化の波により、口腔内のデータがデジタル処理され、メールなどを介して容易にやり取りができるようになってきた。これまで歯科技工のビジネスは、国ごとに医療に関する法規制や認証制度が異なるため、歯科技工物の海外展開は容易ではないとされてきたが、歯科技工データのデジタル化により歯科技工業務の進め方が変わり、各国の法制度に合わせて最適化がしやすくなった。今後、歯科データのデジタル化が拡大するにつれて、歯科技工ビジネスがグローバル化されることが見込まれており、今後、歯科技工業界を取り巻く環境が急速に変わる可能性がある。
※写真出所:CADCAMデザイン風景:DentCare社(インド)HPより引用