第12章 勝ち組歯科医院の歯科技工所選びとは?

はじめに

開業したての歯科医院にとって、今後の診療の負担を減らすためにも、技工所選びはとても重要なポイントです。 特に近年では、デジタル技術の進展や保険診療と自費診療のニーズの多様化により、技工所に求められる要件が大きく変化しています。

今回は「勝ち組」と呼ばれる歯科医院がどのように技工所を選んでいるのかを解説します。

最近の歯科技工所の選び方

歯科医院と歯科技工所の関係は、技術の進化や経済環境の変化を背景に、ここ数年で大きく変化しています。

特にCAD/CAM冠をはじめとするデジタル技術の普及や、コスト管理の重要性が高まったことで、技工所に求められる役割が多様化しています。また、保険診療と自費診療におけるニーズの違いに応じて、発注先の選び方も細分化されています。

大手技工所と個人ラボの使い分け

保険診療向けの、補綴物はコストパフォーマンスを重視して大手の技工所に発注。一方、精密さや高品質を求める自費診療の技工物は、信頼できる個人の技工所に依頼する医院が増えています。

営業型の技工所の増加

最近では飛び込み営業を行う技工所が増加しています。ただし、単に営業力が高いだけではなく、納品物のクオリティやコミュニケーション能力も重視されています。

内製化の進展

複数の歯科医院を運営する法人では、CAD/CAM機を導入して技工物を内製化するケースが増えています。これによりコスト削減だけでなく、スピードや品質の管理がしやすくなっています。

良い歯科技工所を見極めるポイント

技工所を選ぶ際は、単に価格や立地だけでなく、医院のニーズや患者さんへの提供価値を考慮した総合的な視点が重要です。 以下の条件を満たしているかをチェックすることで、医院にとってより良い取引先を見つけやすくなります。

価格の比較検討

複数のラボから見積もりを取り、総コストを比較します。単価だけでなく、追加費用や納期の速さ、リードタイムを含めたコストパフォーマンスを確認しましょう。

クオリティの安定性

納品物の品質が安定しているかは重要なポイントです。補綴物が高品質であれば、チェアサイドでの調整が最小限で済み、診療効率が向上します。また、特定の担当者を指名できる技工所は、さらに信頼性が高いと言えます。

改善のためのコミュニケーション

技工所側が納品物の改善要求に迅速に対応し、医院のフィードバックを積極的に取り入れる姿勢を持っているかを確認しましょう。このような柔軟な対応力は、長期的な協力関係を築くうえで欠かせません。

サポート体制

サポート体制が整っている技工所は、医院の業務負担を軽減することができます。例えば、梱包資材や送付状が定期的に提供されるラボは、スムーズな発注・納品を実現できます。

技工以外のサポート

自費率を向上させるための提案や、患者さん向けの説明資料の作成など、医院の成長を支援するサービスがあるかどうかも重要なポイントです。医院経営に積極的に寄与してくれる技工所は、単なる取引先以上の価値を提供してくれるでしょう。 これらの条件を踏まえ、自院に最適な技工所を選ぶことが、患者さんに高い満足度を提供する第一歩です。

保険と自費で分ける発注の工夫

保険診療と自費診療では、それぞれ求められる品質やコストパフォーマンスが異なるため、発注先を分けるのが一般的です。これにより、効率性とクオリティの両立を図ることができます。

保険診療

保険診療ではコストを重視し、大量生産型の技工所に発注することが一般的です。保険の技工物に特化した技工所は効率的な生産を得意としており、CAD/CAM冠など比較的シンプルな補綴物の提供に適しています。

そのため、保険診療の効率化を図るうえでは欠かせない取引先となるでしょう。

自費診療

自費診療の場合、クオリティや安定性を優先するため、発注先は慎重に選ばなければなりません。

信頼性の高い技工所を複数確保し、補綴物、インプラント、デンチャーなどの分野ごとに専門性のある技工所に分散して発注するのが一般的です。このアプローチにより、自費診療を受けてくださった患者さんに最高の技工物を提供できる体制が整います。

平均的な取引先軒数

「勝ち組」歯科医院では、通常6軒以上の技工所と連携するケースが多く、それぞれの特性を最大限に活用しています。

普段の診療で発注する技工所に加え、特別なケースで利用する「とっておきの発注先」も確保しておくことで、あらゆる患者さんのニーズに対応できる柔軟性を備えています。

このような工夫が、医院の競争力と信頼性を支える大きな要因となっています。

デジタル時代における技工所との連携の重要性

デジタル技術が進化する中で、歯科技工士の専門性がこれまで以上に重要となっています。デジタル機器の導入や活用に関するアドバイスを提供できる技工所は、医院にとって大きな強みとなります。

また、営業担当者のスキルが技工書選びを左右することもあります。「この営業担当と一緒に仕事をすることで医院の売上が伸びる」と感じられるかどうかが、選定のカギです。

まとめ

勝ち組歯科医院に共通するのは、技工所との連携を最大限に活用し、クオリティと効率の両方を追求している点です。診療の負担をできるだけ減らし、患者さんの満足度を上げるためにも、業者選びは慎重に行なっていきましょう。

また、技工士ドットコムでは、技工所選びで悩んでいる方に向けて、技工所の紹介サービスを提供しています。エリア、クオリティ、価格、サービス内容を比較し、最適な技工所を選ぶお手伝いをします。

ぜひ、お気軽にお問い合わせください。

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